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【プロ野球】

由伸 巨人5人目300号 ミスターの前で打った

2012年8月18日 紙面から

巨人−広島 5回裏2死一塁、左越えに2ランを放ち通算300号本塁打とした高橋由(右)は、先発内海らとタッチを交わす=東京ドームで(佐藤哲紀撮影)

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◇巨人5−0広島

 巨人が快勝し両リーグ一番乗りで60勝に到達した。内海は今季2度目の完封でトップに並ぶ11勝目。低めの制球が良く4安打に封じた。打線は1回に先制。5回に高橋由が2ランを放ち、8回にも加点した。広島のバリントンは10敗目。

     ◇

 球団史に名を残す一撃だ。5回2死一塁。高橋由の打球は左翼席に着弾した。巨人を勝利に導いただけでなく、苦節15年での通算300号。生え抜きG戦士では5人目となるメモリアルアーチを入団時の監督だった長嶋終身名誉監督が見守る試合で決めた。

 「1点差という状況で打てたこと、東京ドームのファンの方の前で達成できたことはうれしい。入団からお世話になってきた長嶋終身名誉監督の前で打てたこともうれしいですね」

 大きな節目の一発になった。王貞治、長嶋茂雄、原辰徳、松井秀喜。名だたるアーチストの系譜に高橋由の名が加わる。「それ(巨人在籍)だけ限定すると、どんどん少なくなるけど、巨人の歴史の中に数字を残せたのはうれしい」。照れくささの残る発言が、何ともヨシノブらしい。

 苦難を乗り越えた。わずか1打席でシーズンを終えた2009年秋に腰を手術した。リハビリの日々。「グラウンドに立たないと、何もできない」と痛感した。順調なら…。そんな周囲の声にも「ケガをしたのも事実。出られなかったのも事実だから」と現実として受け止めた。

 ただ、選手生命を左右する故障を経験したことで、心境に小さな変化は芽生えた。「大きな目標はなくなった。目の前の数字とか、順調ならいろいろあったけど」。何よりも大切なことに気づいた。「1日でも長く野球をできたらいい」。そのことが、小さくとも大きな願いになった。

 ようやく迎えた完全復活の時。今季は離脱することなく、常に戦力として加わっている。「年を逆に取っている。まだ未来は見えているね」。原監督は独特の表現で“若返り”を称賛した。高橋由が喜びをかみしめる。「今は本当に充実してます」。覇権奪回に突き進む巨人の中で、その存在は数字以上の輝きを放っている。 (井上学)

 

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