沖縄県の仲井真弘多知事は17日、米軍の新型輸送機MV22オスプレイの普天間基地(同県宜野湾市)への配備で「いかなる重大な環境問題も生じない」と結論付けた、米環境影響審査の報告書に対する質問書を、森本敏防衛相に宛てて提出した。質問は44項目に及んだ。
米側の報告書は、騒音が大きくなる垂直離着陸モードでの運用が「飛行時間全体の5%(またはそれ未満)」とし、騒音が低い固定翼モードでの飛行が大半と強調。県はこうした運用方法について、根拠を明示するよう防衛省に求めた。
MV22は、普天間に現在配備されているCH46中型輸送ヘリコプターの後継機。報告書ではCH46よりも、MV22は夜間の運用が年間204回増加するとしており、理由の説明を県は要求。また基地や訓練地域の間を移動する際の飛行経路も示すよう求めた。
MV22は、国の天然記念物ヤンバルクイナなど希少な動植物が多数みられる北部訓練場(同県東村など)でも離着陸を行う。報告書はプロペラから発生する下降気流が風速21メートルに達するが「巣やねぐらに被害を与えるとは考えられない」としている点にも、県は疑問を呈した。〔共同〕
仲井真弘多、森本敏、オスプレイ
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