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| (20時間50分前に更新) | ||
尖閣諸島の魚釣島に香港の活動家団体「保釣行動委員会」のメンバーが上陸し、14人が入管難民法違反容疑で逮捕された事件で、第11管区海上保安本部は16日夜、14人のうち、抗議船に乗っていて逮捕した9人の身柄を福岡入国管理局那覇支局へ引き渡した。また、県警は上陸して逮捕した5人についても那覇地検へ送検せず入管へ身柄を引き渡す方針を決定。政府は17日中にも全員を強制送還する。
同日午後10時半ごろ、9人は巡視船で那覇市の那覇新港に到着。11管の護送車で那覇市樋川の入管那覇支局へ移送された。
上陸して逮捕された5人は同日午前、那覇新港に到着後、那覇署など4署に分かれて留置され、県警が上陸の目的などを聴取している。県警や11管によると、14人はいずれも「不法入国にはならない」などと容疑を否認しているという。
14人の中には、香港に拠点を置く衛星テレビ局「フェニックステレビ」のリポーター(40)とカメラマン(45)が含まれている。
同日、5人が留置された那覇署などには香港政府関係者らが接見に訪れた。県警に活動家らの釈放などを求めたとみられる。
活動家らが乗っていた抗議船は16日、石垣市にえい航され、海保などが内部検証を行った。
一方、上陸を阻止しようとした海上保安庁の巡視船に、活動家らが抗議船かられんがなどを投げ付けていたことが11管への取材で分かった。海上保安庁によると、けが人はおらず、巡視船に目立った損傷もないため、公務執行妨害罪や器物損壊罪の適用は困難で刑法犯に問えないとしている。
入管難民法65条は、不法入国容疑などで逮捕した容疑者にほかの犯罪容疑がない場合は、入管に身柄を引き渡せると規定している。
2004年3月に中国人活動家7人が尖閣諸島へ不法上陸した際には、県警が入国管理局に身柄を引き渡し、強制送還。10年9月に中国漁船が海保の巡視船に衝突した事件では、海保が公務執行妨害容疑で中国人船長を逮捕し、送検。那覇地検は処分保留で釈放し、船長は強制送還された。