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(20時間58分前に更新) |
香港の活動家14人が移送された16日も、那覇空港には中国から大勢の観光客が到着した。事件を知らない人が多かったが、「両国関係が緊張すると旅行できなくなる」との心配も。県内の観光業界からは、早期収拾を求める声が上がった。
上海から家族3人で3泊4日の観光に訪れた会社員の劉峰さん(38)は「政治的な領土問題には関心がない」とした上で、「起きてしまったものは仕方ない。中日関係に悪影響があれば、私たちが自由に旅行できなくなるなど、経済に影響が出る可能性がある。船員らを早く中国に帰し、事を荒立てないで解決してほしい」と日中両政府に訴えた。
香港から旅行の30代女性会社員は事件について「ニュースをまだ見ていないので知らない」。「観光などで日中は良い関係なので、政治的な問題で水を差すべきではない」と話し、足早に空港を後にした。他にも5人が事件について「知らない」と答えた。
中国客の本格誘致に向け、沖縄事務所を6月に開設したばかりの旅行社ジャパンホリデートラベル。大熊英樹沖縄地区統括は「2010年の漁船衝突では半分以上がキャンセルになった。長引かせることだけは避けてほしい」と要望した。
不安の声は、尖閣を抱える石垣市にも。台湾の団体客を扱う観光業の男性(30)は「現時点で影響は出ていないが、事態の進展次第ではどうなるか分からない」と早急な解決を望む。仲間と中国語を学ぶ男性(59)は「観光産業はすそ野が広い。農業まで打撃を受ける可能性がある」と不安視した。