ゴルフ場向け融資の焦げ付きは一般融資の3倍超

会員権は半値、収益はどん底-融資の4.9%が不良債権化、一般融資の3.3倍
3年連続赤字のゴルフ場は116カ所
オープンから5年のゴルフ場、入会保証金の返還問題も

 京畿道北部のAゴルフ場は、施設の資金としてB銀行から融資を受けた170億ウォン(現在のレートで約12億円、以下同じ)の利子の支払いに苦慮している。過去3年の間に幾度も延滞が発生し、融資は3カ月単位で満期を延長している状態だ。B銀行の関係者は「ほかの銀行から借りた融資金も延滞していることが分かっている。無理して持ちこたえてはいるが、いずれ不渡りを出すとみている」と語った。

 2009年に18ホール規模でオープンした忠清南道のCゴルフ場は、建設費として融資を受けた約700億ウォン(約49億円)の利子を延滞している。資金難で税金すら払えないありさまだ。今年に入り、約6億ウォン(約4200万円)の財産税を滞納し、地方自治体から幾度も督促を受けた。

 景気の冷え込みでゴルフ場の収益率が急落し、会員権の価格も暴落したため、銀行から借り入れた融資金の返済に苦慮するゴルフ場が増えている。一部のゴルフ場は、売却しても融資金を返済できない「中身のないゴルフ場」と化している。

 ゴルフ場向け融資が問題になっているのは、ここ数年、新たなゴルフ場が相次いでオープンする中で、赤字を出すゴルフ場が急増したからだ。韓国のゴルフ場の数は、06年は250カ所、09年は339カ所、11年は395カ所、今年は3月末基準で426カ所にまで急増した。建設中のゴルフ場75カ所を含めると、501カ所に達する。

■ゴルフ場向け融資の不良債権化率、一般融資の3倍以上

 9日に金融当局と銀行が明らかにしたところによると、韓国国内のゴルフ場の69%に当たる344カ所が、今年3月末基準で5兆7000億ウォン(約4000億円)の融資を銀行から受けている。問題は、3カ月以上延滞し、担保価値下落などにより不良債権と考えられる「固定以下与信」の比率が4.9%に達しているという点だ。この数字は、銀行の融資全体に占める固定以下与信の比率(1.5%)に比べ、3.3倍に達する。固定以下与信とは、融資を受けた企業や個人の信用状態が悪化して延滞期間が延び、融資金が回収できなくなるリスクが発生し、最悪の場合は損失として処理しなければならない不良債権のことを指す。

 日本の場合、バブル経済が崩壊した後、会員制のゴルフ場1750カ所のうち約800カ所が倒産し、1000億-3000億ウォン(約70億-210億円)に達する建設費など、ゴルフ場の造成に要した金額のわずか10分の1の価格で売却された例も少なくない。ほとんどの場合、銀行に借金を返せず、銀行が不良債権を抱え込んだ。金融監督院の関係者は「ゴルフ場の純益が大幅に減って会員権の価格も急落し、日本のケースのように施設を丸ごと売却しても銀行に借金を返せないゴルフ場も10カ所前後あるとみられる」と語った。

李陳錫(イ・ジンソク)記者
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