【社説】「独島訪問後の戦略」を急げ

 日本の玄葉光一郎外相は11日、李明博(イ・ミョンバク)大統領が前日に独島(日本名:竹島)を訪問したことを受け「これまで(独島領有権問題を)国際司法裁判所(ICJ)に提訴しなかったのは、日韓(韓日)関係全体に及ぼす影響に配慮していたため。大統領の訪問で配慮する必要はなくなった」と述べ、提訴を検討する方針を示した。

 日本政府はまた、今月25-26日にソウルで開催予定だった韓日財務相会談を延期したほか、首脳同士が毎年、相手国を交互に行き来する「韓日シャトル外交」を凍結し、野田佳彦首相の年末の訪韓計画を取りやめる方向で検討に入った。日本のマスコミによると、日本政府は独島や中国と領有権を争う尖閣諸島(中国名:釣魚島)、ロシアと紛争中の北方領土の問題を扱う組織を新設する予定だという。

 日本政府のこうした動きとは別に、11日には、広島県の韓国総領事館に長さ20センチほどのレンガ1個を投げつけ、ガラスを割った容疑で日本人の男(44)が逮捕された。男は警察で右翼団体の構成員と名乗り、李大統領の独島上陸に腹を立てて犯行に及んだと供述した。東京や大阪など8都市では、独島領有権を主張する日本の右翼団体がデモを行った。一部の右翼団体構成員は、11日に韓国・日本・台湾の市民団体が東京で共催した靖国神社参拝反対デモに水などを浴びせ、妨害した。

 日本政府は1954年と62年にも独島問題の提訴に動いたが、韓国はこれに応じなかった。国際司法裁判所の裁判は、当事国のどちらか一方が提訴を拒否すれば、裁判が行われない。こうした事情を知りながら、日本が提訴というカードを再び取り出したのは、李大統領の独島訪問をどうにかして「独島の国際紛争化」につなげるためだろう。

 独島は韓国の支配下にあるため、不必要に韓日間の外交摩擦を深める必要はない。政府は、国際司法裁判所への提訴といった日本の策略に乗ることのないよう冷静に対応する一方、独島に対する正しい認識が国際社会に広がるよう、入念な戦略を立てるべきだ。また、日本の一部の勢力が日本国内で反韓世論を結集し、韓国人の感情を逆なでしようと非常識な振る舞いをしていることに対しても、毅然(きぜん)とした姿勢で対処に当たる必要がある。

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