日本統治時代に出土した百済の刀、X線撮影で新発見

武寧王陵近くの古墳から出土
刀身に鳳凰・草花・雲などの金象眼
刀身に金象眼を施した百済の刀は、日本の国宝「七支刀」だけ

 忠清南道公州市にある宋山里古墳群の29号墳で、刀身に金で華やかな模様が刻まれた鉄製大刀が発見された。

 国立公州博物館(キム・スンヒ館長)は13日「植民地時代に29号墳で発掘された金属の遺物の破片をX線で撮影した結果、刀身の表裏に鳳凰や草花、雲の模様が彫り込まれているのを確認した」と発表した。

 刀の柄に竜や鳳凰、蔓草(つるくさ)の模様などを銀で彫り込んだ百済の刀は、公州市水村里や天安市竜院里などで10点ほど出土しているが、刀身に金で模様が刻まれた百済の刀は、日本の国宝に指定されている「七支刀」が唯一だといわれている。このため、七支刀との関連性をめぐり、学界の関心が集まっている。

 奈良県天理市の石上神宮が所蔵する七支刀は、刀身に61文字の金象眼銘文が施され、古代韓日関係史の秘密を解き明かす資料として注目されている。韓国の学界はこの七支刀について、百済の近肖古王の代に当たる西暦369年に、百済が倭王に与えたものと推定している。

 チェ・ギウン公州博物館学芸研究士は「29号墳は、武寧王陵と同時期の西暦5世紀末から6世紀初めごろに作られた、武寧王の家系に属する王族の墓と推定される。鳳凰や草花、雲などからなる連続模様は、百済時代に初めて確認された遺物」と説明した。

 公州宋山里29号墳は、かつて朝鮮総督府の博物館長を務めた有光教一が1933年に発掘を行ったが、その後の研究作業が遅れ、正式な発掘報告書が発表されたのは2002年になってからだった。公州博物館は、29号墳をはじめ宋山里古墳群から出土した未整理のままになっている遺物を調査し、年末に『宋山里古墳群基礎資料集』を発刊する予定だ。

金基哲(キム・ギチョル)記者
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