ソウル南部地検刑事2部(具本善〈ク・ボンソン〉部長)は、昨年11月から最近まで、未成年者に対し数回にわたり性的暴行を加えた容疑で、バリスタ(コーヒーを抽出する職業)のP容疑者(30)を逮捕・起訴するとともに、裁判所に対し、P容疑者への「性的衝動薬物治療(化学的な去勢)」を命じるよう求めた、と14日発表した。
昨年7月、いわゆる「化学的去勢法」が施行されて以来、検察が性犯罪者に対する化学的な去勢を命じるよう裁判所に請求したのは初めてだ。なお、現在のところ、化学的な去勢の唯一の対象者となっている、児童を対象とした性的暴行の前科4犯の元被告(45)は、今年5月に法務部(省に相当)の治療監護審議委員会の決定を受け、薬物療法を受けている。
法律では、化学的な去勢の対象者は、法務部の治療監護審議委員会の決定か、または検察の請求を受け裁判所が決定するという二つの方式によって決めるよう定めている。治療監護審議委員会は性犯罪者に対し最長3年間、裁判所は同15年間、薬物治療を命じることができる。
検察によると、性的暴行の前科があるP容疑者は、スマートフォンのチャットで知り合った14-16歳の少女5人に金を渡し、性的関係を持った上、その場面を撮影したという。P容疑者はこの少女たちに「性的関係を持ったことを言いふらす」と脅し、6回にわたって性的暴行を加えたとのことだ。検察は化学的な去勢を求めた理由について「P容疑者が自ら『性的な衝動を抑えられない』と訴え、精神疾患としての『性的倒錯』の診断を受けた」と説明した。