韓中日新冷戦:大きな溝を抱える李大統領と野田首相

 今月10日の李明博(イ・ミョンバク)大統領の独島(日本名:竹島)訪問以降、韓日の摩擦が深まっていることに対し、昨年12月の韓日首脳会談に端を発する李大統領と野田佳彦首相の間の不信・不和が原因の一つだとの見方が出ている。

 大統領府(青瓦台)の高官は15日「李大統領の独島訪問と日本の天皇に関する発言は、野田内閣への期待を完全に引っ込めたことを意味する。日本が問題なのではなく、野田政権が問題だ」と語った。

 李大統領と野田首相は昨年12月18日に京都で行われた首脳会談で、旧日本軍の従軍慰安婦問題をめぐり舌戦を繰り広げた。李大統領が慰安婦問題に言及すると、野田首相は同月にソウルの日本大使館前に建てられた慰安婦の記念像の撤去を要請。これに対し、李大統領は「誠意ある措置がなければ(元慰安婦の)おばあさんたちが亡くなるたびに第2、第3の銅像が建てられるだろう」と警告した。

 野田首相は特に、会談前日に玄葉光一郎外相が大統領府(青瓦台)の千英宇(チョン・ヨンウ)外交安保首席秘書官に会い「竹島は日本固有の領土だ」と発言した事実を、李大統領の帰国途上に日本の記者団に公表した。大統領府の関係者は「野田首相は当時、李大統領を『日本に言いたいことを言えない大統領』と見なし、マスコミを利用した」と語った。

 李大統領の最近の対日強硬発言には、日本の政界状況に対する考慮も含まれているようだ。日本では年内の衆議院解散・総選挙実施が既定路線のようになっているため、歴史問題は「ポスト野田」内閣と議論する方がましだということだ。

 一方、李大統領が14日、「独立運動家への心からの謝罪」が天皇訪韓の条件だと異例の発言をしたことに対し、大統領府は、正式な提案はなかったものの日本政府が水面下で提起し続けてきた天皇の訪韓に対する立場を明らかにしたものだと説明した。大統領府の高官は「日本政府は韓国に李大統領の国賓訪問を要請し続けてきたが、これは天皇の答礼訪問を念頭に置いたものだった。そのため、李大統領が『訪韓したいなら心から謝罪すべきだ』という日ごろの考えを明らかにした」と話している。

崔賢黙(チェ・ヒョンムク)記者
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