韓中日新冷戦:拷問に歴史歪曲、韓中国交樹立20年の現実

 北朝鮮の人権問題に取り組む運動家、金永煥(キム・ヨンファン)氏が中国で長期拘束され、電気による拷問を受けた問題で、「金永煥拷問対策委員会」は15日、中国側が19日までに拷問について謝罪しない場合、国連への提訴など本格的な対応を取る方針を明らかにした。しかし、中国外務省は今月3日、韓国の李揆亨(イ・ギュヒョン)駐中大使に対し「文明的、人道的に待遇した」と説明しただけで、それ以降は真相究明を求める韓国側の求めを無視している。中国のこうした対応をめぐっては「韓国無視だ」という反発の声も出ている。韓国と中国は今月24日に国交正常化20周年を迎えるが、このままでは記念行事の意味まで薄れるとの指摘も聞かれる。

 韓中関係は貿易と人的交流の面で飛躍的に成長したが、政治、外交、安全保障の分野ではそれほど成熟してはいないといわれている。北朝鮮問題、そして法律や制度の違いなど異質感が存在することが対立の要因となっている。ある専門家は「韓中の接触面が増えれば増えるほど、異質感が増大していることも事実だ」と指摘した。

■北朝鮮問題の不確実性

 韓中両国は1992年の国交樹立当時、貿易規模が64億ドルにすぎなかったが、2011年には2409億ドルへと実に38倍に拡大した。人的交流も同じ期間に13万人から641万人へと49倍に増えた。国交樹立から20年で両国関係がこれほど飛躍的に拡大したケースは、世界的にも例がないといわれるほどだ。しかし、政治、外交、安全保障面での両国関係には根本的な制約が存在する。最大の要因は中国が一方的に北朝鮮をかばっていることだ。中国は北朝鮮の相次ぐ核実験、2010年の天安砲撃事件、延坪島砲撃でも露骨に北朝鮮の肩を持った。慶熙大のチュ・ジェウ教授(国際学)は「中国の北朝鮮擁護に加え、中国漁船の違法操業、脱北者の送還、金永煥氏への拷問事件などが重なり、韓中関係は危機を迎えている」と指摘した。

アン・ヨンヒョン記者、チョン・ヒョンソク記者
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