原発事故の放射能被害から大分県内など西日本に避難している人たちのネットワークづくりを進める神原将さん(左)と新納昭秀さん=豊後高田市
東日本大震災に伴う東京電力福島第1原発の事故をきっかけに、東京などから西日本に移住している人たちがいる。「原発事故による放射能汚染からの“避難者”が苦労しながら身近に暮らしていることを知ってほしい」と、東京から佐伯市に戻った経営コンサルタントの新納昭秀さん(46)らが、インターネットなどで同じ境遇の仲間を見つけながら情報発信している。
新納さんは昨年6月から、体調を崩して帰郷。津久見市の震災がれきの受け入れ問題を通じた情報交換をする中で、避難者が予想以上に多く、厳しい境遇に置かれていることを知った。避難者の多くが、十分な収入が得られなかったり、住む場所や仕事を確保しにくかったりと多くの課題を抱えているという。
5日には、インターネットで知り合った編集者の神原将さん(38)=広島県呉市=と一緒に、県内に住む避難者6人が豊後高田市に集まり、思いを語り合う場を設けた。避難者間のネットワークづくりにも役立てたいと、その様子をネット(http://www.ustream.tv/channel/iwj-oita1)で流している。
神原さん自身、東京から呉市に家族で移住した避難者の一人。経緯を『原発引っ越し』という本にまとめ自費出版した。「避難者は安全な場所として選んで住み始めたものの、頼る人がなく、多くの困難を解決できないでいる場合が多い。地元の人は温かく迎えてほしい」と訴える。
新納さんが知っているだけで、放射能汚染から逃れるため佐伯市に移住した人は5人。「県内の他の地域にも、原発事故がきっかけで避難した人が相当数いるのではないか。互いに連絡が取れると心強いはず。そのような機会を積極的に作っていきたい」と話している。
新納さんの連絡先はTEL090-6490-8479、メールアドレスshinnoh@biz-masters.com
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