カテーテルと呼ばれる細い管を血管に差し込んで腎臓の交感神経を遮断する新しい高血圧治療の治験が、17日までに自治医大病院(栃木県)などで始まった。海外では重い高血圧症患者でも最高血圧が半年後に平均約30も下がったとの報告があり、画期的な治療法になる可能性があるとして注目されている。
新しい手法は「腎デナベーション(除神経)」。活動している時に働く交感神経は、腎動脈の表面を通り、脳と腎臓の間で血圧を調整する信号を伝えている。新手法はカテーテルを太ももの動脈から腎動脈まで通し、先端から高周波電流を流して外側の交感神経を数カ所、加熱して遮断する。
所要時間は約40分。治験は、利尿剤を含めて3種類以上の降圧薬を飲んでも最高血圧が160以上の重症者を対象にしている。
海外の過去3年の実績では副作用はほとんどなく、効果が続いているという。専用の装置が公的に承認された欧州を中心に4千例以上が実施された。約10%の患者には効かず、その理由が分からないことや、効果があった場合でも薬を完全にはやめられないといった課題がある。
高血圧は脳卒中や心筋梗塞などにつながる。国内の高血圧人口は推定で4千万人とされ、最も患者数の多い病気だ。専門家は「薬に頼るこれまでとは次元の異なる、理想的な治療になる可能性がある」と期待する。
治験は安全性と有効性を確認するのが目的で、ほかに湘南鎌倉総合病院(神奈川県)などが参加。2016年までに約100人に計画している。
この交感神経を外科手術で切断すると血圧が下がることが1930年代から知られていたが、別の神経も傷つけてしまうことがあった。血圧が下がる詳細な仕組みは分かっていないという。〔共同〕
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