早期の強制送還という決断について高田圭太記者の報告です。
フジテレビ系(FNN) 8月17日(金)19時28分配信
香港の活動家らが尖閣諸島の魚釣島に上陸したことをめぐって、弱腰との批判も出ている今回の異例の速さでの強制送還。早期の強制送還という決断の裏側について、高田圭太記者の報告です。
今回、海上保安庁は「逮捕から強制送還までの決断に政治判断はなかった」と説明しているが、実際には、辞退を穏便に収拾しようという政府の判断がさまざま働いていたといえる。
政府は、活動家が上陸する前日の14日の時点で、今回はけが人を出さないように対応すると決め、野田首相もそれを了承していたという。
この時点で、活動家にけがをさせれば中国を刺激し、逆に日本側が被害を受けても起訴せざるを得ない事態となって、日中関係の悪化を招くことになるため、これを避けたいとの思いがあったことが透けて見える。
さらに、8年前の前例にならえば強制送還となる手続きだったため、政府はそのまま穏便な対応をとる政治判断を行ったといえる。
そうした対応をとった背景には、2010年の漁船衝突事件の際に、中国での反日デモの激化や、レアアースの輸入停滞などで影響が深刻になった悪夢を避けたいという思いがあり、官邸の関係者も、「総理は早く決着をつけたかったのだと思う」と解説している。
ただ、野党などからの弱腰などの批判は避けられず、週明けの国会では厳しい追及を受けることになるとみられる。
最終更新:8月17日(金)19時28分