ザ・インタビューズ

肌の色は、キャラクターのカラーリングの中でも最も重要でデリケートな要素の一つです。
僕の場合はカラーパレットも作らないので、ほとんど感覚ですが、
いくつかのセオリーはあります。

HSVスライダやカラーサークルで明度を下げるのが影色を付けるのが一歩目ですが、
肌の場合は「綺麗な肌に見せるため」の影色の付け方がいくつかあります。
単純に明度を下げただけではくすんだ色になりやすいので、赤みを帯びた色にシフトさせることがあります。(RGB均等に下げずに、GとBを下げる)
彩度や明度を下げすぎず、色相をシフトさせることで影色を表現し、くすんだ色になるのを防ぎます。

これは写実的ではありませんが、イラスト的な表現として用いられる手法です。
ハイライト部分も、単純に明度を上げていくのではなく、黄色の成分を加えていきます。(Bを加えずにGだけを加える)
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=5024330
夏の晴天下など、環境光の強い場所では、肌が血の色を透過、反射する為に肌の影色は赤みを帯びます。空や海の青の補色となるので、鮮やかな配色になります。

極端に明度が下がる部分は彩度は下がります。
これは人間の視神経の仕組みに由来します。
桿体細胞、錐体細胞などで検索してみてください。モニタがなぜRGBで構成されているか、などもわかると思います。

それを応用してあえて明度を落とす代わりに彩度を下げたり、青を加えるという表現もあります。
明度はあまり変えずに、影と認識させることができます。
ファンタジー系のイラストでよくみられる手法です。
これは、肌に関わらず画面全体で統一した色表現として用いられることが多いです。
明暗によらず影の存在感が引き立てられますが、あくまでイラスト的表現の一つなので、これが基本というわけではありません。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=9055822
http://www.flickr.com/photos/79264227@N06/7093696131

ほとんど明暗差を付けないという場合もあります。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=17718920
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=22631188

境界(肌と視線の角度が90度に近い部分)の明度にコントラストを付けることで立体感を増す表現もあります。
室内で正面からフラッシュを炊いたような光源設定の場合です。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=big&illust_id=2215636

どの部分の色を明るく、濃くするかは、ライティングによって変わります。

適当に明暗を付けておいて、Photoshopのトーンカーブやオーバーレイで調整したりもします。

あくまで個人的な考え方の一部で、作品ごとにその都度適合する配色を考えています。
作家によって千差万別なので、とりあえず色々見て下さい・・・としか言えませんね。
けっこうみんな、見た目以上のことを考えて塗ってます。

2012-04-17 12:26:17