太平洋戦争末期、本土決戦に備え天皇や政府機関が避難する要塞として長野市に掘られた地下壕、通称「松代大本営」を題材にした映画が完成した。長野県上田市の計測機器製造会社勤務の臼田宏さん(49)が呼び掛け、熱意に動かされたプロたちが協力し本格作品になった。
地下壕は1944年11月、長野市松代町の3つの山で掘削が始まり、1日最大1万人の朝鮮人や日本人が作業。多くの犠牲者を出し、完成前に終戦を迎えた。高さ2メートル、幅4メートルの通路が碁盤の目のように掘られ、総延長は約10キロ。
タイトルは「松代大本営 地下壕が語りかけるもの」。地下壕の研究や見学者の案内を続けている高校生らに密着し、工事で立ち退きを迫られた住民の声を紹介。通常は非公開だが、天皇の住居として建てられ、現在は気象庁精密地震観測室として使われている建物にも入った。
臼田さんは昨年、初めて松代大本営を訪れ、衝撃を受けた。保存に取り組む高校生にも出会い、修学旅行などで訪れる子どもたちの学習に役立つ映画を作ろうと決めた。
「負の歴史に触れるな」。そんな声もあったが「ありのままを伝えたい」と訴えた。すると「ハルコ」などの作品がある映画監督の野沢和之さん(58)やカメラマンら、映画作りのプロが「意義深い仕事」と賛同しほぼ無償で協力。臼田さんは取材交渉に奔走し、30分の作品が今春完成した。作品のDVDは自主製作では異例の約750枚が売れた。
臼田さんは「仕事でよく訪れるドイツは、戦争のむなしさを伝える貴重な場所として戦争遺跡を大切にしている。日本でもそうした動きを広げたい」と話す。問い合わせは映画製作委員会、電話080・4883・1944。英語版もある。〔共同〕
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