発信箱:「平和立国」はつらい=布施広
毎日新聞 2012年08月16日 00時30分
だが、韓国を司法裁に引き出すのは両刃の剣でもあるようだ。前出の専門家は言う。「そうなれば中国などが尖閣問題でさらに強く出る恐れがある。日本がいくら『領有権の問題は存在しない』と主張しても係争地の色彩が強まるかもしれません」
終戦記念日の空を仰いで、「平和立国」はつらいと思った。「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と憲法は言うけれど、ロシアや北朝鮮を含む国々の「公正」を信じられるか。領土的野心と敵意に囲まれた日本の前途は厳しい。