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「のぼうの城」(日本映画):でくのぼうの「のぼう様」成田長親の「忍城」への大軍を率いる石田三成の凄絶な水攻め

 未だ外国特派員協会(FCCJ)からの判決文は届かない。リザベーション済みの会合はどうしたら良いものか?(「処刑」は9月半ば以降にしてくれと理事会にお願いをして来たのだが)
 噂によれば(伝聞を書くなと会長に云われたが)同じ日にお白州へ引き出された西澤さんには「退会勧告」が出たと言う。これはFCCJ会員にとっては「死刑宣告」だ。西澤さんがどう対処するのか、理事会を裁く最高裁のような上部機関があるのだろうか?僕も執行猶予(判決待ち)の身で下手なコメントは打てない。(云いたいことは山程あるが)

 豊臣秀吉の国家統一は最後に小田原城に本拠を置く北条家を滅ぼし関東を収めて初めて成立したのだ。天正18年(1590年)京を出発し東海道を下り、箱根の要塞を撃破して4月3日には小田原城を包囲する。同時に北条氏の支城を攻める。この舞台になる「忍城」(おしじょう)の城主は成田氏。現在の埼玉県行田市にあり、関東7名城に数えられる。低湿地帯に築城され曲輪など防御施設が沼地に点在し、「浮き城」と呼ばれ城が水に浮いているような状態で難攻不落の砦だった。その城を2万の軍勢で包囲した石田三成(上地雄輔)が水攻めにするシーンがハイライトだ。

 映画の冒頭は羽柴秀吉(市村正規)が織田信長の命令で毛利氏配下の備中国高松城を攻略した戦いが描かれる。堤防を決壊させた大量の水は津波のようにあっという間に村々や田畑を襲いかかる。この東北大災害を思い出させるシーンのために映画の公開を遅らせたと聞く。水攻めの最中に本能寺で信長が殺される。天正10年(1582年)のことだからこの映画の8年前だ。
 理財屋ながら秀吉の寵愛をうけている石田三成は軍功をたてようと難攻の「忍城」の攻撃を志願する。2万の軍勢をバックに三成は友人で沈着の大谷吉継(山田孝之)傲慢な長束正家(平岳大)などを引き連れ忍城に乗り込み降伏を迫る。成田氏宗主氏家の従弟で総大将は成田長親(野村萬歳)。武将に備わる優も仁も智もないが不思議と家臣や領地の農民たちに人気がある。「北条家にもつかず関白にもつかず、今までと同じように皆と暮らせないかな」と言いだす始末。だから「でくのぼう」の「のぼう様」と呼ばれ、その城は「のぼうの城」と言う訳だ。
長親には幼馴染で歴戦の強もの丹波(佐藤浩市)が付き添い、丹波のライバル剛腕の和泉(山口智允)経験は無いが戦略家の靭負(ゆきえ)(成宮寛貴)更には氏家の娘、男勝りの武術を見に付けている甲斐姫(榮倉奈々)が長親を慕っていた。しかし手勢は僅か500人、とても三成率いる2万人に対抗出来る訳が無い。城主成田氏長は小田原城へ発つ際、長親に「秀吉軍とは一戦も交えず直ぐに開城するように」と言い残している。しかし開城を迫る三成の態度が余りにふてぶてしく押し付けがましいのが頭に来た長親は「戦いまする」と宣言してしまう。
さあ大変!降伏・開城を迫る石田軍は2万人、長親軍はかき集めても500人、どう勝負する?丹波は百姓たちに頭を下げて協力を依頼すると、のぼう様を慕う百姓(前田吟)たち3000人が加勢し隠しもった槍や刀を持って忍城に駆けつける。

緒戦は沼地の優位を利用し、油や火矢などの奇襲戦で防戦が出来たが、三成が8年前の秀吉・高松城の水攻めを真似て総延長28キロと言う堤防(今でもその一部は残る)を作り堰きとめた水を一斉に放水したから、たまらない。アッと言う間に城は本丸以外は水浸しになる。
 ここから「のぼう様」のトボケタ踊りが始まる。プロの俳優を押しのけて狂言師、野村萬歳を起用した訳が初めて分かる。溢れた水に船を浮かべ音曲を伴い、敵の面前で、コミカルで猥褻な一人踊りを披露する。敵も味方も踊りに併せ大合唱。そして敵方にいた百姓は「のぼう様」の為ならと堤防を倒壊させるのだ。
 萬歳の女と絡み合う一人芸は確かに秀逸で楽しいが延々と続く。延々過ぎる。三成は火縄の狙撃銃で長親を狙わせ撃たれた長親は泥水に没する。

 エンドクレジットに友人の須川薫雄君の名がある。火縄銃の大家で、あの長い狙撃銃は彼の発案だそうだ。普通より2倍程長い火縄銃が実在するが、あれ程長いのは無いと。
映画のVFXの中で大洪水が一番難しいのだが、CGの特殊効果も含めて村を呑みこむ大水の描写は凄い。
両軍の侍大将たちがワンパターの芝居で見分けが付かない。上下の関係なく「
ため口」をきく。皆友達付き合いか?佐藤浩市の丹波だけは侍家臣の群れの中で目立つ。
 全員、歴史上実在の人物たちなので、エピローグのクレジットでその後どうなったかを追う。丹波だけは出家してその寺は現在も残っているとか。行田市に行ってみたくなる。
 共同監督でドラマ部分は犬童一心、特殊効果が絡む部分は樋口真嗣。脚本はこの本で城戸賞をもらった和田竜。今まで低予算映画ばかりの犬童監督にしてみれば初めての時代劇で予算も多い大作で、戸惑い気味なのが画面から分かる。

確かに面白かったが2時間25分はいささか長すぎる。 

11月2日より東宝系で全国公開される。

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大変でしたね。
理事会が特派員協会の最高決定機関なのですか?

互助会的会員組織が会員に懲戒や制裁を与える場合、総会的決定機関の承認が必要になるのが一般的だと思いますが(特派員協会がそれに当たるかどうかは分かりませんが)、そういう議決などは必要ないのでしょうか?

ブログの登場人物に関する記述も、個人から恵介殿への謝罪要求はあっても仕方ありませんが、特派員協会という組織として見れば、表現には問題があるとしても「内部告発」とも考えられます。
傷害事件疑惑についても、被疑者が「証拠はあるのか?証拠は!?」と迫っているようにしか聞こえません。

非難された個人が、特派員協会の理事職であるというだけで、その権威、権力を利用して「言論弾圧」している印象は拭えないですね。「東京裁判」とはいい比喩だと思います。

恵介殿には申し訳ないですが、特派員協会は一度、解散してしまったほうがよろしいのではないですかね?
「公益法人」という権威や税制優遇のために従業員を路頭に迷わせても平気なようですし、言論弾圧さえ行っているような組織のジャーナリズム的役割は終わっていると思います。

2012/8/16(木) 午後 1:09 [ bla*e*14* ]

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コメント有難うございます。西沢さんの会員資格剥奪は総会の2/3の賛成を得れば認められるのですが、理事会はプロキシーを集めて総会成立をさせることは可能なのです。委任状は無関心の会員が多いから40〜50は簡単に集めることができます。可愛そうなのは追い出される西沢さんです。

2012/8/16(木) 午後 2:09 [ kj3*96*12 ]

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そうなんですか。
委任でそれだけの決定が簡単に可能だとすると特派員協会の構造的欠陥と言えるかも知れません。
社会的通念から考えると、とても民主的な組織とは言えないですね。
無関心な人間はどこにでもいますが、それで組織が一部の人間に私物化されるのは悲しいことですね。

逆に、恵介殿たちが委任状を集めて対抗することは出来ないのでしょうか?

2012/8/16(木) 午後 3:13 [ bla*e*14* ]

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この総会というのはレギュラーメンバーだけ、つまり現役のジャーナリストだけで、我々賛助会員(アソシエイト・メンバー)は蚊帳の外なのです。酷いでしょ。
FCCJの財政の90%以上は賛助会員の会費(月1万5千円)で維持されているのに発言権が無いんですね。60年代の黒人みたいなものです。公民権運動でも起こさなければならないな、と自嘲気味のこの頃です。

2012/8/16(木) 午後 7:56 [ kj3*96*12 ]

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なるほど。
レギュラーメンバーは特権階級であり搾取者という訳ですね。
自分たちが特権階級だという意識があるから、逆に奴隷階級が権利を持つことは許さないと。

本当にジャーナリストによる会員組織なのでしょうか?(笑)

恵介殿たちによる改革が実現する事を祈ります。

2012/8/16(木) 午後 10:23 [ bla*e*14* ]

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公民権運動で「我ら奴隷に市民権を与えよ」と動き出すグループもいます。その先頭に立っていたのが「会員資格剥奪」の死刑宣告を受けた西澤さんなので、戦意が削がれています。
西澤さんは21日までに退会届けを出せと迫られ今晩会員有志に対して「惜別の辞」を送っています。
吉田松陰を引用して「かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂」と。進駐軍に敵対する大和魂なんですね。

2012/8/16(木) 午後 10:33 [ kj3*96*12 ]

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