外国特派員協会(FCCJ)のG会長より死刑宣告=退会勧告を受けた西法太郎さんが遂に提出期限を切られた21日(火)に退会届を出す決心をした。
FCCJ会員に向けて「惜別の辞」と題し現在の心情を吐露している。(転送自由と断りがあるのでここに一部を掲載する)
「今月初めGに解雇された従業員9名が、地位保全の仮処分を東地裁に提訴し、受理されました。Gが法的強制力のない都労委による調停を蔑にしたためです。
斯様なFCCJにいつからなってしまったのでしょう。情けないと思いませんか!!!
皆さまには永らく御世話になりました。
いつかどこかで、又御友誼を賜れれば幸いです。
最後に吉田松陰の「留魂録」から、辞世の句を引いて皆さまへの御別れに代えます。
かくすれば かくなるものと知りながら やむにやまれぬ 大和魂
西沢裕彦(西 法太郎) 拝」
幕府が朝廷の許しを受けず勝手に「日米修好通商条約」を締結したことに激怒し、討幕を表明して老中・間部詮勝の暗殺を計画した罪で投獄され斬刑に処された吉田松陰。アメリカや欧州の理事たちに阿(おもね)る腰巾着日本人マネージメントたちを斬ろうとして挫折した西澤さんは、己を吉田松陰のイメージに重ね合わせて無念の別れを告げている。
近くに住み長い親友同士5人の年寄たちの生き様を描く。冒頭のシーンで重篤な病で余命幾ばくも無いことを医者に告げられた老女ジャンヌ(74歳のジェーン・フォンダ)は入院・治療を拒否し、その足で棺桶の店に行き一番派手なローズ色のお棺を選ぶ。夫のアルベール(78歳のピエール・リシャール)は日記と愛犬オスカルの散歩が趣味だが痴呆症が進んでいる。独身の色男で若い女性が大好き。だがデート中に発作で倒れ息子に老人ホームへ入れられベッドに縛り付けられているクロード(82歳のクロード・リッシュ)。アニー(68歳のジェラルディン・チャップリン)は孫が遊びに来ないのを嘆いて自宅庭にプールを作ろうとする。夫のジャン(78歳のギイ・ドブス)はNPOの活動家だが年寄過ぎると若い連中に一緒に活動するのを拒否されて腹を立てている。何か心に鬱積を抱える老人5人組みだ。
老人ホームのクロードを見舞に行った仲間は、自由を奪われ囚人のように扱われている彼を医者看護婦の目を盗んで拉致する。親友同士なんだから「みんなで一緒に暮らしたら」と、ジャンとアニーの広大な邸宅で共同生活を始める。老人たちのトボケタ会話や行動が面白おかしく描かれる。
狂言廻しと言うかクッション役で民俗学を研究中のハンガリーからの若い留学生ディルク(ダニエル・ブリュール)が犬のオスカル散歩係として登場する。老人たちの相談相手とアニーやジャンヌたち老女の、ちょっとばかし心ときめくロマンスの対象にもなる。男たちもディルクは使い勝手が良い。クロードに迫られ「バイアグラ」を購入させられる。久しぶりに「ビンビン」になって嬉しいクロードの娼婦買いに付き合わされるシーンが可笑しい。
そんな中で事件が!40年前の浮気事件が発覚する。クロードはアニーと毎週1回ホテルで情事を楽しんでいたが、同時のジャンヌとも週1回、曜日を違えて浮気をしていたのだ。アニーもジャンヌも同じ時期にクロードと寝ていたことを知り愕然とする。ジャンは激高しクロードに迫り大喧嘩になるが二人の女性が間に入りこと無きをうる。
やがて悲しい結末が。医者の忠告を無視し治療を拒否していたジャンヌが遂に亡くなる。生前に選んだローズ色のお棺。「土に埋められる前に皆居なくなってね。飲んでいるシャンペングラスをお棺の上に残して」
家から姿が見えなくなったジャンヌを探して痴呆症のアルベールが「ジャンヌ!ジャンヌ!」と公園を探し廻る。優しい友達4人も唱和して「ジャンヌ!」と叫びアルベールの跡を追うシーンは涙が零れる。
そんなに大ヒットする作品では無いがシニア向け映画としてそこそこの客を集めるだろう。少なくとも15日紹介した邦画「わたしの『人生』」よりは遥かに優れている。
タイトルは1972年にジャン=リュック・ゴダール監督「万事快調」(TOUT VA BIEN)似ている。ジェーン・フォンダとイヴ・モンタン主演の労働問題に取り組む作品で、この作品以来のフォンダのフランス映画出演だ。もともとジェーンは父親ヘンリーの浮気で実母が自殺したことで父を憎み、当てつけにフランス映画監督で浮気男ロジェ・バディム(僕もシルビア・クリステルのコーヒーCMで起用し3年付き合った)と結婚し「バーバレラ」などに主演しているからフランス語が得意。流暢なフランス語セリフは聞かせる。
監督・脚本はステファン・ロブラン、42歳。TV出身で過去に「REAL NOVIE」でデビューを飾ったが日本未公開。だからこの作品が日本お目見えになる。
10月下旬よりシニア向け映画館銀座和光ウラのシネスィッチ銀座で公開される。
|