広島は16日、ヤクルト戦(マツダ)に4―2で逆転勝ち。3位争いの直接のライバル・ヤクルトとの3連戦に見事勝ち越しを決めた。勝利の立役者は、頼れる助っ人エルドレッドだ。1点を追う8回二死満塁のチャンスに逆転の2点打を放ち、またもチームを救った。投げては先発の大竹が6回1失点と試合を作れば、リリーフ陣も粘りの投球。苦しい戦いに勝ち、再び貯金1とした。
1点をリードされて迎えた8回にドラマは待っていた。一死から代打の安部、丸が連続出塁するなど二死満塁のチャンスを作ると打席には4番・エルドレッド。ヤクルト・ロマンにはこの日は3打数無安打に抑えられていたが「大きな状況でこの上ない状況。自分で決めてやろうと思っていた」と逆転の2点打をしぶとく左前に運んだ。さらに堂林の適時打で追加点を奪うことに成功した。
先発の大竹は粘りの投球でツバメ打線を最小失点に抑えた。連勝を狙ってマウンドに上がった右腕は最初からから全力投球。初回、いきなり一死一、二塁のピンチに左前に運ばれたが、左翼・迎が好返球。三塁走者を本塁で刺し、結局無失点で乗り切った。
味方のファインプレーに助けられた大竹は2回に最速150キロをマークするなど力のある直球と切れ味鋭い変化球を武器に気合の投球。4回に一死三塁から福地に犠飛を浴びて先制点を許したが、その後のピンチも冷静なマウンドさばきを見せた。
自身最多タイの10勝目を狙ったマウンドだった。2009年に10勝をマーク。その翌年の春季キャンプで右肩を痛めて2年間は思うような結果を出せなかったが、今季は球宴にも出場するなど見事な復活を遂げて、2桁勝利目前となった。ただ大竹は「気になることはマウンドに上がったら関係ない。中継ぎ陣が毎日投げているので、長いイニングを投げられるようにしたい」。1点を追う6回に代打を送られて降板となり、10勝目は持ち越しとなったものの、3年ぶりに規定投球回に到達。また2番手の河内(写真)が8年ぶりに勝利投手となった。