ソフトバンクは15日、ロッテに7—0で完勝。2年目の柳田が2回に放った2号先制2ランで勢いづいた鷹打線はその後も効果的に得点を重ね、マリンガン投手陣を圧倒。投げては摂津が6回3安打無失点でハーラーダービートップタイの11勝目をマーク。投打がかみ合う見事な試合展開で勝利を手にした。
2回、2年目の若武者、柳田が自慢のパワーを見せ付けた。ロッテ先発・阿部の直球をとらえると、打球は左翼席に飛び込む2号先制2ラン。この一発で打線を勢いづけた。
前日14日に引退を表明したばかりの小久保の期待に応える一撃となった。ソフトバンクは現在、世代交代の時期を迎えている。そんな中で、小久保が自分や松中の“後継者”として期待しているのが柳田だ。
鷹の主将は柳田がルーキーとして入団してきた昨季から、その打撃のポテンシャルを高く評価。「フリー打撃の時は全部スタンドインの練習をしろ」。自らが王会長から授けられた“スラッガーの極意”を柳田にも伝えたという。
この日の本塁打は広いヤフードームの逆方向へ運ぶ長距離砲ならではの豪快なアーチだった。柳田は「自分らしく思い切った打撃をしようと考えていました。打撃練習では逆方向を意識して打っていましたし、成果が出てくれたんですかね」と顔をほころばせた。
小久保からの衝撃の発表を受けたナインの思いは一つだった。「キャプテン(小久保)のためにも優勝して、最後に胴上げをしたい」(本多)。打線は柳田の一発を皮切りに、相手のミスに乗じて確実に得点を積み重ねる気迫の攻撃。5回にも細川の1号ソロ、ペーニャの右前打で追加点を奪った。投げては先発の摂津がハーラーダービートップタイの11勝目を挙げた。「小久保さんとは一緒にお立ち台に立つことが多かった。自分のできることをしっかりやるだけです」と気合十分で臨んだ登板。ロッテ打線を6回3安打4四球無失点に抑えた。
小久保もさすがの千両役者ぶりを発揮だ。8回一死の場面で細川の代打として登場すると、ロッテ・中郷から中前打。場内から割れんばかりの拍手喝さいを浴びた。これで借金1としたソフトバンク。小久保の引退前最後の目標でもあるリーグ3連覇に向けて、巻き返しを図る。