【ロンドン五輪カウントダウン企画(1)】
<異色のレスリング選手・米満達弘(25=自衛隊)を直撃(2)>
——ロンドン五輪では24年ぶりの金メダルを期待されている
米満達弘:期待に応えられてきたのは「運」もあると思う。頑張って、成績も出た自分は「運」がいいほうなんだと。「運」って、どうしたら上がるかって考えてます。それで、自分では良いことをやればその分の見返りが返ってくる、運が上がると思ってるんです。自分のためなんですけど。
——例えば
米満:親切にすることとか、当たり前ですが、道にごみを捨てないとか。たまに(道に)誰もいないときにこっそり拾っています。直接ではなくても間接的につながってると思うんですよ。
——まさにタイガーマスク・伊達直人だ
米満:自分の本性は強さとかに興味はない。本当はノホホンと暮らしたいんです。でも平和に暮らすためには強さを身につけないと。周りが強いと征服されて、平和にも暮らせない。自分が強くなるのは、自分を守るためなんです。小さいころは腕っぷしで強さから守りました。それで、大人になれば暴力ではなく、権力が力になってくる。金メダルも権力になる。自分が金メダルが何で必要かというと、大げさに言うと「世界平和のため」みたいな感じなんです。
——せ、世界平和??
米満:武器も持つ人で変わってくる。例えば、牛に水を飲ませれば牛乳をつくる。でも、ヘビに水を飲ませると、毒しかつくらない。水には悪意も善悪もないけど使う人によって善悪が出てくる。自分も金メダルを取って、その力を良いほうに使いたいんです。世の中に貢献ができるように。自分だけじゃなく、周りの人も幸せになってくれればいいかな、と思う。
——「気は優しくて力持ち」というヒーローになりたい
米満:そうですね。一番それに憧れていたんです。小学校のときから。強くて優しい。強いだけじゃダメなんですよ。優しさもないと、男はダメなんですよ。
——それならロンドンでは金メダルしかない
米満:「最近金メダル出ていない」と言われるのは嫌ですね。やっぱり金メダル、取りたいです。男の威厳ですね!
☆よねみつ・たつひろ=1986年8月5日生まれ。山梨県出身。韮崎工高でレスリングを始め、全国高校グレコローマン選手権、国体で優勝。拓殖大に進み、大学4年時に学生2冠、世界学生選手権優勝、全日本選手権でも初優勝した。卒業後は自衛隊に入隊し、2009年の世界選手権に初出場で銅メダル。10年広州アジア大会金メダル、11年世界選手権では銀メダルを獲得した。現在は陸上自衛隊・朝霞駐屯地勤務。168センチ。
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