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【スポーツ】

桐光・松井 2試合41奪三振 板東&工藤超え

2012年8月17日 紙面から

◇全国高校野球選手権大会<第8日>

常総学院−桐光学園 19三振を奪い常総学院を破った桐光学園・松井=甲子園球場で(布藤哲矢撮影)

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 満員の甲子園で、またも奪三振ショーが繰り広げられた。今治西(愛媛)戦で1試合22奪三振の大会新記録をつくった桐光学園のスーパー2年生左腕・松井裕樹投手が、常総学院(茨城)戦でも毎回の19奪三振。2試合合わせて計41個は、板東英二(徳島商)の40を破る夏の大会新記録。終盤は、常総学院の反撃にヒヤリとする場面もあったが、7−5で逃げ切り。神奈川のドクターKの次戦は、ベスト8入りをかけた19日の浦添商戦だ。

 4万7000の大観衆の視線が、マウンドの桐光学園の2年生左腕にクギ付けになった。甲子園がまたもや“松井劇場”となった。初戦で大会新の22奪三振を記録した男の奪三振ラッシュは止まらない。3回までに7三振を奪い、終わってみれば19奪三振だ。

 「三振の数は別に意識していない。最終回が終わって1点以上、勝っていればいい」と松井はクールな態度を貫くが、2試合連続の毎回奪三振で計41個となった。1958年の板東英二(徳島商)の2試合40奪三振を抜き、81年の名古屋電気(現愛工大名電)の工藤公康投手(元西武)が延長を含めて記録した2試合37奪三振も抜いた。

 この日最速145キロだった速球と打者の手元でワンバウンドする「縦」のスライダーがさえ渡った。今後を見すえて、前戦では使わなかったフォークとチェンジアップも試す余裕もみせた一方で、完封勝利した初戦とは違い“危うし松井”の一幕もあった。終盤、常総学院の鋭い攻めに四苦八苦。8回、四球と足の揺さぶりに遭った2死二、三塁から3、4番に連続短長打。3点を失い、7−5と、2点差に詰め寄られた。

 このピンチに、マウンドでは堂々として、ふてぶてしい左腕エースも顔色をなくしかけたが、この窮地を救ってくれたのが主将の田中一塁手ら3年生野手。「点差(リード)はまだある。逆転されても、オレたちが返してやる」という言葉に励まされた。味方野手がエラーすると、たとえ先輩でも「何やっているんだ。グラブは下から出せ」と厳しく言う2年生が、この日ばかりは「3年生には感謝しています」と殊勝な言葉を口にした。

 174センチ、74キロと投手としては小柄な体で、酷暑の中で142球も投げた。奪三振が増えるほど、球数が増え、終盤は疲労度が濃くなる。「しっかり休養を取りたい。そして次の試合はもっと変化球をコントロールしないと」と松井。次の浦添商戦は打たせて取るスタイルも取り入れないと、スタミナが尽きかねない。 (阿知波浩二)

 

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