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【大リーグ】

ヘルナンデスが完全試合達成 今季3人目、1900年以降21人目

2012年8月17日 紙面から

◇マリナーズ1−0レイズ

 【シアトル秋野未知】マリナーズでエースを担うフェリックス・ヘルナンデス投手(26)が15日(日本時間16日)、ホームでのレイズ戦で完全試合を達成した。113球を投げて12奪三振。今季は4月21日にホワイトソックスの右腕フィリップ・ハンバーがマリナーズ戦で、6月13日にジャイアンツの同マット・ケーンがアストロズ戦で記録したのに続いて3人目。1シーズンに3人が達成するのは史上初めてだ。近代野球とされる1900年以降ではワールドシリーズでの1度を含めて21度目(21人目)の快挙となる。

 これぞ王様ゲームだ。113球目。最後の打者を膝元への147キロのチェンジアップで見逃し三振に仕留めた。球団初の完全試合を成し遂げたヘルナンデスは、せきを切ったように雄たけびを上げ、両腕を天高く突き上げた。

 「気分がいいよ。今日は全てが思うようにいった。イニングが進むごとに制球もどんどん良くなっていった」。球場も地鳴りのような大歓声に包まれた。特にすごかったのが熱狂的なヘルナンデス支持者のための専用応援席「キングスコート」が設けられた左翼ポール際。おそろいの黄色のTシャツ姿を着たファンが総立ちとなってお祭り騒ぎ。ヘルナンデスの愛称“キング”と三振をかけた「K」の応援ボードも激しく揺れた。

 27アウトのうち三振12。内野ゴロが8。ライナーを含む内外野への飛球が7。味方打線が3回に奪った1点を守りきって今季11勝目(5敗目)を挙げた。7回2死には打者ジョイスに投げた初球のストライク判定に対し、敵将マドン監督が球審に激しく抗議。退場処分を受けて2分近く試合が中断したものの、リズムを乱すことはなかった。

 この日はマスクをかぶったジェイソの存在も大きかった。昨季までレイズに所属しており、レ軍打線への傾向と対策はばっちり。序盤に速球に的を絞ってくることを見越し、カーブなどを軸にした組み立てで翻弄(ほんろう)した。ヘルナンデスは「5球続けて変化球を投げても打者が打ってこなかった。今日は捕手のおかげとしかいいようがないだろ?」。やや不遜な“俺様表現”ながら女房役への感謝も忘れなかった。

 ベネズエラ出身で2005年に19歳でデビュー。常に態度が大きく、かつて女房役だった城島(現阪神)と衝突し、日本球界復帰を決意させたエピソードもある。地区優勝とは縁はないが、156キロ近い速球と多彩な変化球を武器にチームのエースを張り、2010年にはサイ・ヤング賞を獲得。「次の目標? プレーオフだよ。チームの勝利に貢献してプレーオフに進みたい」と胸を張った。

 チームはア・リーグ西地区最下位でポストシーズン進出はほぼ絶望的な状態ながら、イチローが去った新生マリナーズを引っ張っていこうとする気概がありあり。来季こそ天下取り−。そんな野望にあふれていた。

 

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