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【プロ野球】

釜田プロ初完封 新人一番乗り

2012年8月17日 紙面から

◇楽天1−0日本ハム

楽天−日本ハム プロ初完封で5勝目を挙げ喜ぶ釜田=Kスタ宮城で

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 楽天の釜田が5勝目をプロ初完封で飾った。伸びのある速球に変化球を織り交ぜ、5安打に抑えた。打線は7回1死二塁から枡田の左前打で均衡を破った。日本ハムはウルフが7イニング1失点と好投したが、打線が応えられなかった。

よっしゃぁ!! 仙台の夜空に楽天・釜田の雄たけびがこだました。日本ハムを5安打に抑えプロ初完封勝利。118球目で最後の打者・陽岱鋼を空振り三振に仕留めると、両手を高く突き上げた。万雷の「釜田コール」と勝利のジェット風船が、快挙を祝福した。

 高卒新人の完封は2010年9月12日、阪神・秋山が達成して以来。1−0完封勝ちは1999年の西武・松坂(現レッドソックス)以来、13年ぶりだ。「9回を投げ切るのは大変と思いました」。お立ち台でこう口を開いた釜田。最終回は簡単に2死を取りながら、そこから連打で一、二塁とされた。それでもここで踏ん張った。「1−0の完封勝ちは何よりも評価をしてもらえる。久しぶりです。こんなに気持ちよく投げられたのは」と満面の笑みだった。

 心には「ライバルには負けられない」という思いがあった。10日のヤフードーム。同じ年のソフトバンク・武田との対面を果たした。向こうから「よろしく」とあいさつをしてきたが、身長差(釜田は177センチ、武田は187センチ)もあって、どこか上からの目線に感じた様子。胸には反骨心が燃え上がった。「逃げてはいけない」と決意してマウンドに向かった。この日は最後まで腕を強く振って、打者の胸元を攻め続けた。星野監督に「野球をなめてる」と言われ、2軍落ちを命じられたころにはなかった攻めの投球。7イニングの壁を乗り越え、リードを最後まで守りきった。

 ちょうど1年前の8月16日は、金沢高のエースとして出場していた夏の甲子園大会で習志野高(千葉)に敗れ、悔し涙を流した。それから1年後、パ・リーグの新人でトップの5勝目を挙げた。完封勝利は両リーグの新人で一番乗りだ。首位・日本ハムとは再び4・5差。星野監督は「1−0の完封は投手冥利(みょうり)に尽きる。大したもんだ!!」と褒め上げた。釜田は「この1回で満足しないように投げていきたい」。今や、堂々たるローテ投手。全身にプロの風格が漂っている。 (川越亮太)

 

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