カードのデータを読み込ませて遊ぶ子ども向けの業務用対戦ゲームで、スマートフォン(多機能携帯電話)と連携させたり、2種類のゲームを楽しんだりできる新機種が登場している。「甲虫王者ムシキング」などのブームが去ってアミューズメント施設の設置台数は減少傾向だが、遊び方の幅を広げることで顧客層拡大を目指す戦略だ。
モンスターが対戦するコナミデジタルエンタテインメント(東京)の「モンスター烈伝 オレカバトル」は、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」のアプリ(応用ソフト)で育てたモンスターをゲーム機に取り込めるようになった。コナミは「親がモンスターを育て、子どもと一緒に強いモンスターに挑む遊び方ができる」と提案する。
スクウェア・エニックス(東京)は自動車レースとロボット同士の戦いの両方を楽しめる「超速変形ジャイロゼッター」の展開を始めた。レースに使うハンドルを押し上げるとロボット操作用のレバーが出てくる。和田洋一社長は「家庭では楽しめない感動を味わえる」と自信を示す。
バンダイ(東京)の「百獣大戦 グレートアニマルカイザー」はライオン対サメなどの現実には考えられない組み合わせも可能な生き物同士の対戦ゲームだ。液晶画面を従来機の15インチ画面から21・5インチに大型化し、迫力が増すようにした。
日本アミューズメントマシン協会によると、子供用カードゲーム機の二〇一〇年末の国内設置台数は約二万一千九百台で、ムシキングなどがヒットしていた〇六年末と比べて約四割も減った。だが「カードゲームを楽しむ幼児や小学生は家族連れでアミューズメント施設に足を運ぶことが多く、新たな顧客獲得が期待できる」(メーカー)ため、新機種で人気回復を狙う。
(東京新聞)