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着物手芸で伝える感謝

富岡の兼俵さんら、外国人ボランティアに贈呈
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2011年5月19日号

ダレルさんに巾着を手渡す兼俵さん=写真中央=
ダレルさんに巾着を手渡す兼俵さん=写真中央=

 「日本のために被災地で援助活動をする外国人に感謝の気持ちを伝えたい」。金沢区富岡西で美容院を経営する兼俵伸枝さん(73)らは4月21日、着物で作った巾着など500点以上を被災地に送った。

 東日本大震災以来、日本人のみならず、外国人が被災地で活動する姿が報道されている。兼俵さんは、そのようなテレビのニュースの中で、海外から日本にボランティアに来た若い女性を見て涙が出たという。「仕事とはいえ、この子の両親はさぞ心配しているだろう」。外国で暮らす自分の娘と重なって見えた。

 そこで、被災地で活動する外国人に感謝を伝えるため、着物で作った小物をプレゼントすることを思いついた。以前から趣味で作っていた巾着やお手玉などを送ることで「和の心」を届けようと、外国人が喜ぶような鮮やかな色の生地を選び、制作に取りかかった。

 兼俵さんの熱意に打たれた手芸仲間の、矢崎まり子さん(61)、中里光代さん(62)、三田百合子さん(62)も協力し、時には徹夜をしてまで作り上げた。500点以上の手芸品を作るのに、1ヵ月近くかかったという。

 だが、どうやったら外国人ボランティアに届くのか分からない。案をめぐらしている時、友人のつてをたどり、米国国務省日本語研修所を紹介された。そして、同研修所の所長ダレル・ジェンクスさんを通し、手芸品を送ってもらえることになった。兼俵さんは「本国で不安な気持ちで待っている家族へのお土産になれば」と話した。

 今後は、外国人だけにとどまらず、被災地の福島県南相馬市の女の子たちにも手芸品を送る予定だ。
 

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