逮捕の中国人移送 尖閣不法上陸

2012.08.16

 那覇新港に着いた海上保安庁の巡視船から警察へ移送される尖閣諸島・魚釣島に上陸して逮捕された香港の活動家=16日午前、那覇市(大里直也撮影)

 那覇に移送された香港の活動家。何かを叫んでいた=16日午前、那覇市の那覇新港(大里直也撮影、一部画像処理) 

 那覇に移送された容疑者の活動家。何かを叫んでいた=16日午前、那覇市の那覇新港(大里直也撮影、一部画像処理) 

 那覇に移送された容疑者の活動家=16日午前、那覇市の那覇新港(大里直也撮影、一部画像処理) 

 沖縄県警は16日、尖閣諸島の魚釣島(沖縄県石垣市)に上陸したなどとして入管難民法違反容疑で逮捕した香港の活動家ら14人のうち5人の身柄を、海上保安庁の巡視船で那覇市の港に移した。第11管区海上保安本部(那覇)も残る9人を別の巡視船で沖縄本島に移送する。県警と海保が身柄送検し、起訴に向けた刑事手続きに入ることも可能だが、政府は一両日中に強制送還する方針とみられる。しかし、尖閣諸島周辺の日本の接続水域で中国公船が一時航行するなど、中国側は挑発行為を続けている。

 12日に香港を船で出発した活動家らは15日午後、魚釣島に7人が上陸し、うち2人は船に戻った。沖縄県警は入管難民法違反(不法上陸)容疑で島に残った5人を現行犯逮捕。11管本部が同法違反(不法入国)の疑いで、船にいた9人を逮捕していた。

 県警が逮捕した5人は、中国籍の35~66歳の男で「中国の領土なので、パスポートは必要ない」などと供述し、容疑を否認しているという。

 平成16年3月に尖閣諸島に上陸し、県警が逮捕した中国人活動家7人については、7人が島内の石碑などの構造物を壊したとして、沖縄県警は入管難民法違反容疑のほかに器物損壊容疑も合わせて身柄送検する方針だったが、政府は政治的判断で2日後に方針を転換。福岡入国管理局那覇支局に身柄が引き渡され、強制送還された経緯がある。

 一方、15日午後11時10分ごろ、尖閣諸島久場島の北北西約44キロの日本の接続水域に、中国国家海洋局所属の公船「海監50」が入ったのを哨戒中の海上保安庁の巡視船が確認した。

 11管本部によると、巡視船が領海内に入らないよう無線で警告したところ、海監50は「正当な業務を行っている」と回答したという。

 海監50は南に向かって航行したが、16日午前0時ごろ、久場島北北西約34キロで反転し、同午前0時半ごろ、接続水域を出た。

            ◇

 「釣魚島は中国の領土だ」「日本は出て行け」。尖閣諸島・魚釣島(沖縄県石垣市)に上陸したとして逮捕された香港の活動家ら5人は16日午前、海上保安庁の巡視船で那覇市の港に到着。船を下りながら、見守る港湾関係者や報道陣に向け、中国語で自分たちの主張を大声で叫び続けた。

 雲の間から時折強い日差しが差す中、Tシャツ姿の5人は県警の捜査員に前後を固められながら1人ずつ船を下り、車両に乗せられた。

 真っ黒に日焼けした顔に無精ひげ。鋭い視線を周囲に送りながらタラップを下りた男は、口を大きく開け「中国の領土だ」と繰り返した。

 ほかの4人も示し合わせたような言葉を繰り返す。抗議の意思を示すように手錠を掛けられた手を強く握り締め、つばを飛ばしながら叫ぶ姿も。悪びれた様子を見せない男たちに、近くにいたタクシーの運転手は「まるで英雄気取りだ」とあきれた様子だった。

 岸壁上でも捜査員に抵抗の構えを見せ、乗車を拒んでもみ合いになる場面もあった。

 那覇署に移送され車を降りたメンバーは、報道陣を見つけると再び何かを叫び、署内に入った。

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