尖閣上陸:地元に余波 日中に自制求める声

2012年8月16日 09時49分
(14時間49分前に更新)

 尖閣諸島の領有を主張する香港の団体メンバーが15日、石垣市の尖閣諸島に上陸、逮捕されたことを受け、地元関係者からは、国内法にのっとった対応を求める声が上がった。2004年の中国人上陸事件、10年の漁船衝突事件では、日中関係が緊張し、沖縄観光に影響が出た過去があり、日中双方に自制的な対処を求める声も聞かれた。

 石垣市の中山義隆市長は「領海侵犯は許されないし、不法上陸も当然認められない。国は毅然(きぜん)とした対応を示してほしい」と強調。「中国漁船衝突事件の船長を不起訴で帰したような甘い対応じゃなく、国内法に従って裁いてほしい」と求めた。

 その上で「外交摩擦を起こさせないためには、わが国が実効支配を強めるべきだと思う」とした。

 八重山漁協の上原亀一組合長は「(都や国の尖閣購入計画に対する)反発だろう、という感じはする。中国も日本も、互いに挑発するような行為はやめてほしい」と訴え、「上陸してしまった以上、国内法にのっとって粛々と対応してほしい」と求めた。

 「尖閣列島戦時遭難者遺族会」の慶田城用武会長は「日本であれ中国、台湾であれ、上陸は根本的な解決にならず、方法をはき違えている。強行な上陸がエスカレートし、やがて武力衝突に発展しないか」と懸念する。「やられたらやり返すのでは悪い方向に行くばかり。外交によって平和裏に解決してほしい」と要望した。

 沖縄・中国友好協会の西田健次郎顧問は中国からの観光客を呼び込もうと約13年前から沖縄と中国の懸け橋として奔走。逮捕による中国からの観光誘客への影響について「今のところ、深刻に落ち込むことはない」とみるが、「中国側は、今のような挑発的な態度をやめるべきだ」と語気を強めた。

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