大和ハウス工業は10日、準大手ゼネコン(総合建設会社)のフジタを買収すると発表した。買収額は500億円で、大和ハウスが手がけてきた買収案件では過去最大。海外で豊富な実績を持つフジタと連携し、中国や東南アジアなどで工業団地開発や住宅・マンション開発の事業を拡大する。国内市場の縮小が見込まれる中、積極的な海外展開で成長を目指す。
大和ハウスはフジタの全株式を米ゴールドマン・サックス系の投資会社、フジタ・ホールディングス(フジタHD、東京・港)から取得し、フジタを完全子会社化する。日本の独占禁止法や中国の競争法の手続きを経て、12月20日までの買収完了を目指す。買収後もフジタの社名は変更せず、上田卓司社長は続投する方向。従業員の雇用も維持する。
大和ハウスは2006年に中国・大連で分譲マンション開発に着手し、12年にはベトナムで工業団地開発に乗り出している。海外事業を強化しているが、同社の12年3月期の海外売上高は126億円と全体の1%に満たない。
同日、大阪市内で会見した大野直竹社長は、フジタ買収で「海外展開をより加速できる」と強調した。中国や東南アジアに拠点を持ち、海外で先行するフジタを傘下に収めることで海外事業を強化する狙いだ。
フジタの12年3月期の連結売上高は3108億円。うち海外売上高は約400億円と鹿島など大手ゼネコンに迫る。フジタがこれまで海外で培ってきた販売チャネルや情報網を生かし、大和ハウスグループとして有望案件の獲得を目指す。
国内でもフジタの強みである区画整理事業を生かし、再開発案件やスマートタウンの造成などに共同で取り組む。買収を機に開発から施工までの一貫体制を強化し、収益基盤を拡大する。グループの大和小田急建設や大和ハウス本体で商業・事業施設の建設を手がける建築事業部との連携も模索する。
会見にはフジタの上田社長も同席し「大和ハウスグループの力を借りることで、受注規模の拡大が期待できる。当社を成長させてくれる相手だ」と述べた。
フジタ・ホールディングス、大和ハウス工業、上田卓司、ゴールドマン・サックス、総合建設会社
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