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'12/8/15

「援デリ狩り」広島で続発



 出会い系サイトなどで援助交際相手を募る少女を脅し、売春組織の下で売春を強要したとされる事件が広島市内で相次いで発覚した。「援デリ狩り」。そう呼ばれ、トラブルから別の犯罪に発展したケースもある。広島県警は6月以降、暴力団組員を含む、組織の関係者とみられる9人を恐喝未遂や売春防止法違反などの容疑で逮捕。個人的に援助交際する少女に「罰金」を科して取り込む構図が浮かび上がった。

 関連事件で恐喝未遂などの罪で起訴された組織メンバーら4人の初公判が6日、広島地裁であった。「罰金返せんけえ、島に飛ばすけえの、などと脅した」。検察側は、売春組織から逃げ出した少女(17)から現金を脅し取ろうとした、などととされる起訴事実について詳述した。

 4人は中古車販売業の男(40)、無職男(28)、無職男(22)、リサイクル店従業員の男(23)。検察側の冒頭陳述などによると、リサイクル店従業員を除く3人は広島市内でそれぞれ売春組織を運営。互いに協力し、援デリ狩りを繰り返したとされる。

 手口は巧妙だ。携帯電話の出会い系サイトで援助交際を募る少女を見つけると、客を装って接触し「組織の許可なく客を取った」などと脅迫。罰金と称し一方的に50万〜100万円程度の借金を背負わせ、返済名目で売春を強要したという。

 県警によると、恐喝未遂に遭ったとされる少女は、無職男(22)の売春組織に取り込まれ、中古車販売業男の組織に移った。中古車販売業男の組織では、監視カメラ付きマンションに住まわされ、20日間で計24人の男性客を相手に売春させられたという。1回の料金は2万5千円。少女の取り分は、客の人数に関係なく1日1万円だったとみられている。

 この恐喝未遂事件が端緒となり、闇に潜っていた売春組織や援デリ狩りが表面化。県警は4人のほか、加担したとして無職少年(18)、無職少年(17)、無職女(53)、看板工の男(27)を逮捕した。




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