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尖閣諸島に上陸の5人が警察署へ
8月16日 12時28分

尖閣諸島に上陸の5人が警察署へ
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15日、沖縄県の尖閣諸島の魚釣島に上陸するなどして逮捕された香港の活動家ら14人のうち、上陸した5人が、16日午前、海上保安本部の巡視船で那覇まで運ばれたあと、警察署に移されました。

沖縄県の尖閣諸島を中国の領土だと主張する香港の活動家ら14人が乗った船は、15日、尖閣諸島の魚釣島の沖合で日本の領海に侵入し、その後、島に上陸しとどまった5人と船に乗っていた9人が、それぞれ不法入国の疑いで警察と海上保安本部に逮捕されました。
このうち、上陸した5人を乗せた海上保安本部の巡視船が、16日午前、那覇市の那覇新港に入港し、5人は那覇警察署など4つの警察署に移されました。
これまでの調べに対して、5人は「ここはわが国で不法上陸ではない」などと供述しているということで、警察は、上陸した動機などを詳しく調べることにしています。
また、海上保安本部が逮捕した9人を乗せた巡視船は、16日午前、那覇市の沖合に到着し、当面は船内で調べが続けられることになっています。
警察と海上保安本部は、今後、14人の身柄の扱いについて入国管理局や検察などと協議することにしています。
一方、香港政府が派遣した職員2人は、東京の中国大使館の職員と共に昼前に那覇空港に到着しました。
活動家らの即時釈放を警察に求めるものとみられます。

活動家ら“魚釣島は中国の領土だ”

尖閣諸島の魚釣島に上陸し、不法入国の疑いで逮捕された香港の活動家ら5人は、午前9時半すぎから、1人ずつ港に降ろされ、警察の車で、それぞれ4つの警察署に移送されました。
活動家らは、巡視船から降りる際、中国語で「魚釣島は中国の領土だ」などと叫んでいました。
港では、香港のテレビ局のクルーが、5人が移送される様子など現場の状況をリポートしていました。

台湾“活動家ら釈放すべき”

台湾の外交部は15日夜、声明を出し、台湾の主権を改めて主張しました。
そのうえで、「日本政府が香港の活動家らを逮捕したことは地域の平和と安全の助けにはならない。緊張を和らげ、地域の安定を維持するため、日本政府はできるだけ早く香港の活動家らを釈放すべきだ」としています。
今回、香港の民間団体の船は、台湾の沿岸を通って尖閣諸島に向かいましたが、台湾の当局は船が港に入ることは認めず、巡視船による監視を続けた一方で、「人道的な配慮だ」として水や食料などの補給を行いました。
台湾当局は、以前から尖閣諸島の領有権を巡って、中国と連携することはないという方針を示していますが、今回の一連の対応には、中国や日本との間で摩擦が高まることを避けるとともに、地域の安定を重視する姿勢を国際社会にアピールするねらいがあるものとみられます。

米“挑発的行為は解決に役立たず”

香港の民間団体のメンバーらが尖閣諸島の魚釣島に上陸したことについて、アメリカ国務省のヌーランド報道官は、「こうした挑発的な行為は解決には役立たない」と述べて非難しました。
そのうえで、「どちらかを支持することはない」と述べて、尖閣諸島の領有権に関しては一方の立場を取ることはないという姿勢を示しました。
ただ、国務省はNHKの取材に対して、「尖閣諸島は1972年に沖縄と共に日本に返還されて以来、日本の施政権の下にあり、日米安保条約の範囲内にある」と述べて、アメリカ政府の立場に変化はないとしています。

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