つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【社会】福島原発所員 受診拒否など差別経験東京電力福島第一原発事故後の復旧作業に当たっている福島第一、第二原発所員の一部が、住宅への入居や医療機関での差別的な扱いや中傷を受けていたことが十五日、明らかになった。両原発で健康相談や心のケアをしている愛媛大と防衛医大(埼玉県)のチームが、両原発の所員のうち東電社員を対象に昨年五、六月にアンケートを実施、85%に当たる千四百九十五人から回答を得た。こうしたケースは精神的な問題を抱える確率が二倍になることも分かった。 ケアの際の聞き取りでは、原発所員であることを理由に、アパートの賃借や病院の受診を断られたり、避難所で暴言を浴びせられたりしたとの証言があった。アンケートに、こうした差別や中傷を受けたことがあると回答した所員は百九十一人(12・8%)に上った。 差別や中傷を受けた所員は、受けなかった所員に比べると、気分の大きな落ち込みや絶望感による苦悩に陥ったり、感情のまひやショッキングな場面を思い出してしまう心的外傷後ストレス反応(PTSR)が表れたりする確率が、それぞれ約二倍になっていた。 所員は原子炉建屋の爆発を目撃したり、津波で死に直面したりするなど、ほかにも複合的なストレスがあり、精神的な問題を抱えやすい状態になっているという。 同チームによると、差別や中傷が大規模災害時の復旧作業員の精神面に影響することが明らかになったのは初めて。 第一原発の元産業医で、現在は第二原発の産業医を務める愛媛大の谷川武教授(公衆衛生学)は「所員は被災者でもある。社会の理解がなければ、うつ病や、作業へのモチベーション低下が懸念される」と指摘した。 PR情報
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