e-Japan計画でIT先進国を目指す日本だが、地域でのIT化は置きざりにされている。過疎地にブロードバンドを提供する、地域おこしにITを活用するなど、現場での取り組みが重要だ―――
日経デジタルコア事務局と、
CANフォーラム(國領二郎会長)はこのような認識で一致し、地域情報化の先端事例を取材し、各地での実践の参考に供したいと考え、本企画を連載します。
月1回を原則に、現地取材を報告します。
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第16回 トリプルプレーをどう活かすか
〜オホーツクの村、「にしおこっぺ」の果敢な挑戦〜
「にしおこっぺ」――北海道の東北部、オホーツク海に近い小村の西興部村だ。既設の村内CATV(ケーブルテレビ)の設備更改で、一気に光ファイバーにして、固定電話も載せた。米国で話題の「トリプルプレー」(電話、CATV、インターネットを1本のデジタル加入者回線でサービスする形態)がこの村では実現している。その環境を利用して、酪農家向けの経営支援サービス、高齢者の健康管理・見守りサービスなどを提供中だ。せっかくの設備をフルに活用して生活密着サービスにしようと、村役場の奮闘が続いている。 |
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第15回 ITは方法論、教育の理念は変わらず
〜つくば市が進める教育情報化の取り組み〜
「学校教育でIT(情報技術)をどう活用するか」は、インターネットが普及するはるか以前、80年代から議論されてきた課題だ。だが、企業や家庭にパソコンが浸透し、ブロードバンドが当たり前になりつつある一方で、学校、特に小中学校の情報化は遅々として進んでいないのが現実である。そうした中、注目を集めているのが茨城県つくば市の取り組みだ。1977年に、いち早く学校へのコンピューター導入を果たし、その後グループウエアやテレビ会議システムなどを活用した先進的な取り組みを進めてきたつくば市は、IT教育のトップランナーとして全国に知られている。実際にその教育が行われている現場を訪ね、関係者に話を聞いた。 |
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第12回 ITを活用した地域連携で安心医療を実現〜山形・鶴岡地区の「Net4U(ネットフォーユー)」
山形県鶴岡市を中心とする地域で、開業医、病院、訪問看護ステーションなどが電子ネットワークで必要な情報を共有し、連携しながら患者の治療に取り組んでいる。このプロジェクトの愛称「Net4U(ネットフォーユー)」は、New E-Teamwork by 4 Unitsの頭文字。4Unitsとは、病院、診療所、介護福祉施設、検査センターのこと。読めば「あなた(患者さん)のためのネットワーク」と聞こえるのがミソだ。
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