尖閣逮捕:中国メディアも大々的に報道
毎日新聞 2012年08月16日 11時21分(最終更新 08月16日 11時23分)
【北京・工藤哲】沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張し、香港の民間抗議船に乗り組んだ活動家ら14人が沖縄県警や海上保安部に逮捕された事件について、16日付の中国主要各紙は1面トップで報じ、国営中国中央テレビ(CCTV)のニュースチャンネルも繰り返し伝え続けるなど、高い関心を示している。
いずれも野田佳彦内閣の閣僚の靖国神社参拝や、尖閣諸島を巡る対応を通じ、日本側が中国側をさらに挑発・刺激しているとの認識に基づく内容が目立っている。
北京紙「新京報」は「日本は保釣(尖閣防衛)船にこめられた中国の民意を直視すべきだ」とする社説を掲載。「今年、中国政府は国交正常化40周年で良い雰囲気を作ろうと誠意を示してきたが、日本側はそれに応えないばかりか、各種の挑発をしている。誤った道を進むのなら必ず代価を払うことになる」と指摘し、中国側の対応はあくまで日本側の出方によるとの見方を示した。
しかし中国共産党機関紙「人民日報」は1面で伝えない比較的抑えた扱いで、事態の悪化を望まず、14人の処遇などを含めた事態の動向を注視する中国政府の意向を反映しているとみられる。