ア・リーグMVPに、予想通りツインズのジョー・マウアーが選出された。
しかし、予想通りでなかったのは、全員一致、「満票」での選出ではなかったことだ。
投票員28人のうち、マウアーに1位票を入れなかったのは日本人記者小西慶三氏(元共同通信)ただ一人。小西記者がマウアーの満票MVPを阻んだことについて、当地では、非難の嵐が吹き荒れている。
同記者に対する批判をまとめると、
(1) 同記者の「眼力」に対する不信 : マウアーの代わりに1位に入れたのが、よりによってミゲル・カブレラ(タイガース)であったこと
(2) 説明義務の忌避 : なぜマウアーではなくカブレラを1位にしたのかについて、理由を説明していないこと
(3) 利害相反の疑い : 特定選手との特別な関係が公平な投票を損なった疑い
の三点となるが、以下、順を追って説明しよう。
優勝を逃した「戦犯」を選んだのは「皮肉」なのか?
(1) 眼力に対する不信
マウアーとカブレラ。成績がどれだけ違うかを下表にまとめた。
| 打率 | 出塁率 | 長打率 | |
|---|---|---|---|
| マウアー | 3割6分5厘 (1) | 4割4分4厘 (1) | 5割8分7厘 (1) |
| カブレラ | 3割2分4厘 (4) | 3割9分6厘 (6) | 5割4分7厘 (6) |
打率・出塁率・長打率で「三冠王」を達成したマウアーを差し置いて、いずれの項目もベスト3にさえ入っていないカブレラを1位に入れたのだから、当地の野球ファンが驚愕したのも無理はなかった。
しかも、マウアーが捕手という難しいポジションでゴールド・グラブ賞を獲得したのに対して、カブレラは「そこそこ」の一塁手。守備での価値もマウアーには大きく見劣りする。
さらに、マウアーがチームを中地区優勝に導いたのとは対照的に、カブレラは優勝がかかったシーズン最終戦の直前に酔っ払って警察沙汰を起こし、チームの士気を著しく損なった。マウアーが文字通り「MVP」の活躍をしたのに対し、カブレラは優勝を逃した「戦犯」としてファンの怨嗟の的となっているのである。
デトロイト・フリー・プレス紙に「皮肉で入れた票だとしか考えられない」とコメントを寄せたファンがいたことでもわかるように、小西氏がMVP投票総得点で2位、3位となった、マーク・テシェラ、デレク・ジーターをも差し置いてカブレラを1位としたことについては、タイガース・ファンでさえも「びっくり仰天」したのである。
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