MLBが、またまた、薬剤問題で揺れている。1988年に史上初めて40本塁打、40盗塁を達成してMVPとなったホセ・カンセコが、MLBの薬剤汚染の「実態」を暴露する本を出版したからだ。
カンセコの暴露本の題名はそのものずばり『薬漬け(ジュースド)』、カンセコはこの本の中で、「いっしょにステロイドを使った仲間」として多数の選手を名指ししたが、以下、名指しされた選手の主だったところを列挙しよう。
マーク・マグワイア(98年、シーズン70本塁打の記録達成。アスレチクス時代は、カンセコと二人、その「筋肉マン」ぶりで「バッシュ・ブラザース」と呼ばれた。)
イバン・ロドリゲス(99年、ア・リーグMVP)
ラファエル・パルメイロ(03年通算500本塁打達成)
フアン・ゴンザレス(96,98年、ア・リーグMVP)
ジェイソン・ジアンビ(00年、ア・リーグMVP)
と、錚々たる顔ぶれだが、カンセコの言っていることが本当だとすると、まるで、「筋肉増強剤を使わないとMVPになれない」かのようである。
カンセコに名指しされた選手達が、こぞってステロイド使用を否定したことはもちろんである。特に、カンセコ、マグワイアを率いて88―90年にアスレチクスのア・リーグ3連覇を達成したトニー・ラルーサ監督(現カージナルス)は、「金ほしさに嘘をついている」と、カンセコを手厳しく非難した。
ラルーサはカンセコを嘘つき呼ばわりしただけでなく、「自分が監督をした選手の中でステロイド使用を疑ったのはカンセコだけ」と言い切り、「マグワイアは筋トレを一生懸命したから体が大きくなったのでカンセコとは違う」とカンセコから告発されたマグワイアを弁護した。
しかし、80年代終わりにカンセコが「ステロイドを使っている」と非難されたとき、ラルーサは「一生懸命筋トレをしたから体が大きくなった」と、まったく同じ言葉でカンセコを弁護しただけに、今回、その言葉が空虚に響くのも仕方はない。
03年にMLBが実施した薬剤検査で、約6%の選手がステロイドを使ったことがわかっている。しかし、カンセコを「嘘つき」と呼ぶMLB関係者の言い分を信じると、「これまでMLBでステロイドを使ったのはカンセコだけ」となってしまう。
アスレチクスでカンセコ、マグワイアと同僚だったデイブ・スチュアート(87年から4年連続20勝)は、今回の暴露本について、「カンセコは多々問題のある人間だが、嘘つきではない」と、意味深なせりふを述べたが、実は、ファンのほとんども、カンセコの告発のかなりの部分は真実だろうと受け止めている。
今シーズンから厳しくなった薬剤検査がMLBの薬剤使用を根絶やしにすることを期待するしかないが、それにしても、日本のプロ野球は何もしなくて大丈夫なのだろうか?薬剤使用の本場アメリカから見ていると、とても「あやしい」選手がいるのだが……。
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