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2012年8月16日(木)付

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 「殿、ご乱心」などという。暴走を始めた権力者は手に負えず、国民と周辺国に災いをもたらす。近間では北朝鮮の「金王朝」が一例だが、同根の韓国で李明博(イ・ミョンバク)大統領の言動がおかしい▼竹島に上陸したのに続き、天皇陛下の訪韓を巡り「訪れたいなら、独立運動の犠牲者に心から謝るのがよい」と語ったそうだ。そもそも訪韓を請うた本人である。「来たけりゃ謝れ」では、けんかを売るに等しい▼大統領は、過去の問題で日本側に誠意が見えないと「乱心」を正当化するが、どうだろう。支持率は2割を切ったという。韓国内でも、斜陽の為政者が日本批判で大衆受けを狙った、との見方がある▼親日、未来志向だったトップが豹変(ひょうへん)したからといって、国民が反日で固まるわけではない。「殿」は半年で去る身だ。ここは冷静に、かといって弱腰に陥ることなく、先方とは違う「大人の対応」で臨みたい▼きのうの光復節には、俳優らが本土から竹島までを泳ぐ茶番もあった。不法占拠のついでに、やりたい放題である。他方、わが国が実効支配する尖閣諸島には、中国領と主張する香港船が押しかけ、14人が沖縄県警などに逮捕された。うっとうしい話だが、気を張って国内法で応じていくしかない▼日本領海、波高し。こうなれば自衛隊常駐だ、核武装だと熱くなってはいつか来た道だ。どんな時でも、国民とメディアが「正気」を保てれば道を大きく誤ることはない。数百万の命と引き換えに、日本が学んだことの一つである。

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