2012-08-14 カンニング竹山の恋愛中毒にバイきんぐ
若手芸人の高齢化について考えるカンニング竹山
ロンドン五輪で卓球女子団体がメダルを賭けて準決勝を戦っている中、「カンニング竹山の恋愛中毒」がBSフジで放送されていました。
かつてインターネットで放送されていた伝説の番組。「鳥居みゆきを発掘した番組」と言えば、ピンとくる人も多いかもしれませんね。それがBSフジで復活したのです。しかも2回目!
カンニングの恋愛中毒 ~天狗芸人カンニング竹山を告発する!~ [DVD]
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やっと光が見えてきた芸暦16年のバイきんぐ
2012年8月5日放送の「カンニング竹山の恋愛中毒」。
「芸人面接」のコーナーにバイきんぐが登場。バイきんぐは、小峠英二(ことうげえいじ)と西村瑞樹(にしむらみずき)の2人組。ソニー・ミュージックアーティスツ(SMA)所属。
オフィス竹山に入るべく、面接会場にやってきたバイきんぐ。
小峠「SMAからやって参りました、バイきんぐと申します、よろしくお願いします!」
西村「よろしくお願いします!」
(深々とおじぎするバイきんぐ)
竹山「え、何?だれ?」
(作家さん笑)
西村「えっと、バイきんぐと申します」
小峠「ご存知じゃないですか?」
竹山「うん、知らない」
小峠「ソニー・ミュージックアーティスツ所属、バイきんぐと申します!よろしくお願いします!」
(また深々とおじぎするバイきんぐ)
竹山さんは浮かない顔。
竹山「若手って紹介されて、なんかすごい今ライブシーンとかで勢いがあって」
小峠「はい」
竹山「なんかそういう、バイきんぐっていうコンビがなんかいるって聞きまして、『今このコーナー出さないと多分、出なくなりますよ』って言われたんですよ」
小峠「ああ、ドンドン今から、行く感じでってことですか?」
竹山「俺が聞いたのはね、だからちょっと見てみたいからやりましょうよって話をしたんだけど」
小峠・西村「はい」
竹山「こんなオジさん2人が来るとは思わなかったから・・・」
(作家さん笑)
小峠「竹山さん、今日を機に売れます!」
気合十分のバイきんぐに対して、「この番組に出ても売れない!」と必死に否定する竹山さん。^^;
カンニングの遅咲きが唯一の希望だったが・・・
まず挨拶代わりにネタを披露するバイきんぐ。竹山さん爆笑。ネタで実力を見せ付けたところで、いざ面接へ。
竹山「コンビ名は『バイきんぐ』って言うんですか?」
小峠・西村「はい」
竹山「え、今まで何やってたの?30過ぎから始めたっていうこと?」
小峠「いや、僕らもう20歳から始めてます」
竹山「え〜!」
西村「はい、16年やってます」
竹山「芸暦16年!?」
小峠「ず〜っと底辺をなめずって、やってまいりました」
西村「地下に潜ってました」
竹山「ライブとかで優勝みたいの、したりしてるわけでしょ?」
小峠「まあまあ、そうですね」
西村「はい」
16年目にしてようやく光が見えてきた、と語るバイきんぐ。すると、このコーナーならではの悪い面接官が現れます。
竹山「いや、でも16年もくすぶってたら、もったいないじゃん、売れたら」
(作家さん笑)
小峠「なんなんですか!」
西村「どういう考えなんですか!」
小峠「その価値観なんなんですか!売れたらもったいないとかないですよ」
竹山「だって、16年も下積んでんでしょ〜、まだまだ下積めるよ〜」
西村「いや〜、もういいですって」
小峠「いや、僕は、最初カンニングさんに・・・結構遅かったじゃないですか、売れるの」
竹山「はい」
小峠「で、あれが僕ちょっと、唯一の希望やったんです」
竹山「なるほど」
小峠「はい、カンニングさんがあんだけ売れるのに時間かかったけど、最終的にあんだけ今みたいにすごく売れてると」
竹山「はい」
小峠「僕ら16年って・・・多分もう抜いてますよね、カンニングさんの低迷期というか」
竹山「あのですね、ふふっ、みなさん誤解してるんですけど、僕が芸人だけの金で食えるようになったのは8年目です」
小峠・西村「ええ〜!!」
竹山「テレビ出だしたのは、8年目、9年目です」
(固まるバイきんぐ)
西村「そうなんですか?」
竹山「はい、30歳の時にはもう売れっ子です」
(言葉を失うバイきんぐ)
西村「え〜、唯一の希望だったのに」
以前、カンニング竹山さんが自分のラジオで若手芸人について語っていました。おそらくこのときの会話に触発されてのことだと思われます。「カンニング竹山の恋愛中毒」の収録が、そのときのラジオの前に行われたのならば・・・
お笑い芸人を辞めようか悩む時期が3回やってくる
2012年6月25日放送のTBSラジオ「ニュース探究ラジオDig」。
パーソナリティはカンニング竹山、外山惠理(とやまえり)。月曜のDigTag「カンニング竹山の黒ぶちメガネ」のコーナー。
20歳ぐらいでコンビを組み、売れなくても30歳までは頑張ろうと決心。全く売れずに焦りが見え始めた30歳手前、8年目あたりでようやく仕事が増え始めた。そして、30歳のときにはテレビに結構呼んでもらえるようになっていた。売れるまでカンニングは10年掛かったという話から、
竹山「今からだから11、12年前になりますけど、当時僕らなんて言われたかというと、『遅いね〜』って言われてたんですよ、その出てくるのが」
外山「へぇ〜」
竹山「苦節10年とか、『遅いね〜、下積んでたね〜』って、それを逆に僕らネタにしてたの、で、あれから早10年、11年経った今、現状がちょっと変わってまして、10年やったぐらいで遅くないんですよ、そんな芸人いっぱいいるんですよ、それでまあ・・・こういう言葉使うのイヤですけど売れてないっていう、で、30代の芸人で芸暦15年、芸暦16年、そして中野あたりでライブ出てますってヤツが、ゴロゴロいるんですよ」
外山「ふ〜ん」
竹山「ほんで、そいつらにこないだ聞いたら、中野あたりで、渋谷でも新宿でもいいけど、ライブハウスの楽屋で芸暦10年超えたヤツがゴロゴロいて、芸暦9年のヤツが楽屋で着替えられないって現状になってるんです」
外山「へぇ〜」
今のお笑い界はカンニングを越える遅咲き芸人を生み出しています。
竹山「昔は30(歳)だったけど、辞めなきゃいけない、夢見ていい時期は30(歳)だったけど、今『夢諦めろよ』ってなる歳が40歳になってんじゃねえか?っていう」
外山「ふぅ〜ん」
竹山「思ったんですよね、実際ほら、うちのスギ(ちゃん)とか、ワイルドスギとかそうですけど、38(歳)ぐらいで売れたりしたし、え〜、Hi-Hiとかも36(歳)とか、37(歳)じゃなかったですか?だから、それがちょっと変わってきてんのかな?とちょっと思ったんですけど、果たしてそれが良いことか悪いことか」
外山「ふんふん」
ここで、10年前ぐらいの若手芸人が、30歳までに辞めていく過程を竹山さんが解説。
23歳で女子高生からの人気が無くなり芸人を辞める
竹山「僕はこう思ってたんです、自分の経験から、お笑い芸人のパターンでね、20歳で入ってきたとしましょう、というパターンでね」
外山「ええ」
竹山「20歳で入ってきて、大体23歳ぐらいまではノリで行けるんですよ、なぜかっていうと、見た目が可愛かったり、見た目がフレッシュじゃないですか」
外山「うんうん」
竹山「ネタでも結構フレッシュなネタをやる子が多いんですよ、元気いっぱいみたいな、動きいっぱい入れてますみたいな」
外山「うん」
竹山「で、そこに、ライブハウスがメインになりますけど、ライブハウスも20歳ぐらい、21歳ぐらいの子を一番近い感じで応援する女子高生がいるわけですよ、だから可愛いとか、格好いいとか、面白いとか、面白いのも勢いだから面白く見えるし、ネタも『高校時代さ〜』とか、『高校時代の先生がよ〜』みたいに言うから、ライブハウスの客と近かったりするわけですよ」
外山「うん」
竹山「で、勢いで行けるんだけど、大概1回、23(歳)ぐらいでコンビを解散したり、辞めたり、人気がなくなったりするわけ、ライブ界では・・・なぜかって言うと、これよく出来た話で、3年ぐらいは勢いで来たんだけど、23(歳)ぐらいになったらライブハウスの客が変わるんですよ、すなわちライブハウスの女子高生達が高校を卒業して、大学行って彼氏が出来たりするんですよ」
外山「(納得するように)あ〜」
竹山「ライブハウスに新しい女子高生が入ってきたりするわけ」
外山「はいはいはい」
竹山「ということは、新しい女子高生にとって23(歳)のヤツはちょっと上のヤツなんですよ、それと同時に、20歳ぐらいの芸人が入ってくるわけですよ、そして、23歳で1回辞める人が多いんです、僕の経験から言うとよ」
26歳で将来を考えて芸人を辞める
竹山「でも、それでもまたやろうって人が芸人やると、次26(歳)か、27(歳)で辞める人が出てくるんです」
外山「ほぉ」
竹山「23〜26(歳)まで昔は人気あったけど、今はなかなか昔みたいな人気はないってことでずっとやってると、26(歳)のときに親から言われたりとか、自分に恋人が出来たりだとか」
外山「は〜」
竹山「いろいろ考えて、30(歳)という壁が見えるんです、で、親から『いつまでそんなことやってるんだ』、『いや、30(歳)までやらせてくれ』とか、そこでちょっといろいろ自分で考えたヤツは、『やばい・・・今辞めて働いたら30のときはまともに戻れるかもしれない』ということで、26(歳)ぐらいで結構ごっそり辞めてく」
30歳で売れなかったら夢やぶれて芸人を辞める
竹山「で、次が30(歳)なんです」
外山「ふんふん」
竹山「30(歳)になってまだ売れてなかったりすると、親からも言われ、『もう30か・・・辞めなきゃな』っていうことで、夢やぶれて辞めてくっていう、そういう同期とか、後輩とか先輩いっぱいいたんですけど、で、30(歳)になっても売れないまま続けてるってあんまり・・・いなかったんですよね」
外山「ふ〜ん」
竹山「それが今、30(歳)からでもゴロゴロいるから、だからその・・・無理だとも言えないし、実際売れたヤツもいるし、だからそこが変わってきたのかな?と、じゃあ実際、みんな40(歳)になったときに辞めんだろうか?って考えたときに、辞めないと思うんだよね・・・きっと」
外山「へぇ〜」
竹山「だからこう、なんて言うかな、全然お仕事してない・・・言ったら売れてないけどもずっとやってます、下手したら43(歳)ですけど若手芸人ですって人とか、41(歳)だけど若手芸人ってのも出てきてると思うし、このまま行ったら『今年で50(歳)ですけど若手です』っていうヤツが、ふふっ、俺いっぱい出てくると思うんだよね、今後行くと、実際今、38歳で若手芸人がゴロゴロいるわけだから・・・まあだから、それが良い悪いは別としてね」
外山「ええ」
BIG3を指して「上が詰まってる」と発言する場面をよく目にしますが、それがライブシーンにまで及んでいる、と仲間から聞いた竹山さん。
外山「詰まってきちゃってるんだ」
竹山「そう、だからピラミッドの構図の中身が、下のほうまでぎゅうぎゅうに詰まってきた」
外山「うん」
竹山「だからそれがちょっと変わってきたのかな〜と思いますよね、高齢化社会とコレがつながってるのかな?ってなんとなく思ったりとか、だから40(歳)っていうのが上がってきてんのか・・・でも高々10年で」
外山「ええ」
竹山「そうなんですよ、だからその、俺がしゃべったね、後輩に言われたのが、そいつらが16年やってるヤツだったんですよね」
外山「あ〜」
竹山「16年やってるの?大丈夫?みたいなトークしたら、『いやいや待ってください、僕らはカンニングさんの話を聞いてるし、昔カンニングさんを見た』と、『カンニングさんはずっと売れなくて、苦節でやっとオジさんになって売れたじゃないですか?』と、『だからあういうパターンもあるからやろうと、やってるんです!』って言うんだけど、いやいやちょっと待ってと、あのとき俺29(歳)だよって言うとみんな顔が青ざめるのよ、あんとき9年目ぐらいよって言ったら『ええ〜!!』って、『やばい、もう16年やってる!』みたいな、だから幻想だけでやっちゃったみたいな」
外山「あ〜」
竹山「でも今からは分かんない、ちょうど18年目ぐらいで売れるって世界になるのかも分からないですし」
内容からして「カンニング竹山の恋愛中毒」で絡んだバイきんぐとの会話なのは間違いないでしょう。
Hi-Hi、スギちゃんに続いて、バイきんぐが遅咲き芸人として脚光を浴びる。そんな未来はそう遠くないのかもしれません。そうなると、バイきんぐをモチベーションとして芸人を続ける人が増えて、若手芸人の高齢化はさらに進むのではないでしょうか。今年のKOC(キングオブコント)の決勝に、バイきんぐが残るかどうか!?注目したいです。というか、あの場でネタしているバイきんぐを純粋に見たいです。正直、応援しています。
このコーナーの最後に、バイきんぐが勘違いしたのは「竹山さんが老けてたからじゃないですか?」と指摘した外山惠理さん。見事なオチでした。^^;
あと、芸人に対して「売れていない」と表現することにためらいを見せるカンニング竹山さん。なんて優しい人なんでしょう。
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