表紙に印刷されているのは、二人の少女の像である。ひょっとするとシャム双生児ででもあるのだろうか、顔と顔を寄せあって、ぴったり離れず密着している… つづきを読む>>
はじめまして。なまこアーティストの及川なまこです。突然ですが皆様、健やかに病んでいますか?この陰鬱とした世知辛い現代社会において、病んでいない人の方が病んでいるのではないでしょうか…つづきを読む>>
3回目となる「肉奴隷大好き少年」シリーズ(しかしすごいネーミング!)。今回は憧れの女子アナとしてテレビ局に入社しながら、いつのまにか「実験用メスブタ」におとしめられていく、「山口江美」(美江じゃないです)が主人公。これまた、先週までの「夏美先生」に負けず劣らず、とてつもない妄想が爆発してます…つづきを読む>>
戦後フランスを代表するシュルレアリスム作家にA・P・ド・マンディアルグという人がいる。非常にエロティックな描写の巧い、それでいて常に死の匂いがどこかに漂う、特異な作品で知られた作家だ… つづきを読む>>
これまで49回にわたって、26人の投稿イラスト職人を紹介してきた。今回からお見せする『肉奴隷大好き少年』は、その選び抜かれたアンダーグラウンド・アーティストのうちでも、ビザール度と完成度においては頂点に君臨するひとりと言える、特選投稿者である…つづきを読む>>
単にムカつくんですよ。若くて楽しそうな連中は。特に女にモテるヤツはすごく嫌いなんです。それがたとえ映画や漫画の作り話だとしても、そういう人が出ているだけでイヤなんですね…つづきを読む>>
ここに一枚の不思議な絵がある。夜明けの空を背景に、全裸の女性がベッドに横たわっている絵だ。だが女性のからだには無数の虫食いのような穴が空き、がらんどうの内部が見える。しかも空洞の身体の内部には、小人のような人間がいる。いや、むしろ中の人間の方が普通サイズの人間で、横たわる空洞の女性の方こそ、巨大な人間なのかもしれないのだが… つづきを読む>>
先週に続いての、ぴんから体操未収録作品集。これで妄想芸術劇場でのぴんから体操展はひとまず終了だが、現在ニャン2倶楽部本誌では、復活したぴんから体操からの投稿イラストが随時掲載されている…つづきを読む>>
漫画を漫画たらしめている最大の特徴は、「それがコマの連続体である」という、端的な事実である。それこそが、漫画表現と、その他の視覚表現(映画、アニメ、絵画、小説)とを隔てている当のものであり、また、それゆえにコマの連続の「仕方」は、マンガ表現の主脳と言って差し支えない…つづきを読む>>
社会学者のヴェルナー・ゾンバルトに依ると、違法恋愛と、それに随伴する贅沢こそが、資本主義社会を生み、また発展させた歯車であるという。ここでいう贅沢とは、主に男性から女性に向けて贈られる奢侈品、即ち、高価な食事、絢爛な日常雑貨、そして女性の容貌を華やかに彩る、豪奢な装飾品のことである…つづきを読む>>
その昔のエロ漫画には、とってつけたような筋立てしかないものが多かった。お話そのものを辿っても「面白い!」と思えるポイントがなく、単に登場人物を脱がす口実として事件が用意されているだけ、といった態のものである… つづきを読む>>
着ぐるみスト・みーな
exhibition 美少女生活 317号室
東京は銀座、BARヴァニラマニアにて“着ぐるみスト・みーな”の初個展が開催中である。着ぐるみストとは、すなわち、着ぐるみを「着た」人、のこと…つづきを読む>>
ストーキングだよ。何でしないの? それっておかしいよ。「好き」という表現はいろいろあるでしょ。覗きとかもそうだし。何でもいいから行動すればいいじゃん。それが愛の表現なんだから…つづきを読む>>
圧倒的な質量と切り口でナマの人間を捕え続ける写真家、都築響一。迎えるは、前回展示「変態村」「刺青村長」でも“毒特”の感性でその世界観を魅せたギャラリーシュハリの片山恵悟。強烈なアンテナを持ち現役編集者でもある2人が今回の企画テーマに選んだのは『老人』…つづきを読む>>
2012年4月18日。この日、世界中の悩める男たちを歓喜に沸かせる、一つのニュースが報じられた。〈東京理大チーム、毛の生える幹細胞移植で無毛マウスが発毛〉報道によれば、東京理科大学などの研究チームが、マウスを使った実験で幹細胞の培養による毛包の移植が成功したことを、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表したとの…つづきを読む>>
巷間しばしば耳にする「最近の若い男は男らしくない」といった類いの言葉は、つとにご存知の通り、今日、初めて語られだしたものではない。この手の言説は戦後一貫して、間断なく、再生産され続けており、あるいは「男らしくない」という語りは、歳上の男が歳下の男を揶揄する際の、一つのクリシェである…つづきを読む>>
ここ数年のオナホのカジュアル化は、女性の「浮気」概念を変えたと言われている.それまでは男性がオナホを使うのは浮気に準ずる悪だったのに、今では目の前で射精することを条件にオナホ使用を許す… つづきを読む>>
地上から地下までアイドルシーンを知り尽くす
宗像明将に教わる現場のススメ
今回登場するのは音楽評論家の宗像明将氏。高名な音楽専門誌『ミュージックマガジン』などで執筆する傍ら、『メンズサイゾー』内の『アイドル音楽評~私を生まれ変わらせてくれるアイドルを求めて~』ではほとんど病気寸前といっても過言ではないほど高すぎる熱量のコラムを連載中…つづきを読む>>
オナホールのパッケージは大きくわけてキャラクター、コンセプト、物理要素の3つから成り立っている。キャラクターは萌え絵、AV女優などオカズとなる具象であり、コンセプトはそのキャラクター設定や世界観などの抽象である… つづきを読む>>
ギャグ・ミステリー・釣り・歴史・オカルト・競馬・パチスロ・株・萌え……その男はあらゆるジャンルの漫画を描き続けた。そして、つかんだ栄光。……挫折。ときに病と戦い、副業に失敗して自己破産。手に握ったペンを離すことなく、転がり続ける漫画家・岩村俊哉…つづきを読む>>
対談 神田つばき × 北原みのり
「女版・快楽主義のすすめ」
SMとフェミという、ともすれば水と油とも捉えられかねない、対照的な背景を持つ両女史の邂逅。アプローチこそ異なれど、常に「女の快楽」を自覚的に追求し続けて来た二人が、「女の快楽」の今を語る…つづきを読む>>
簡単でかわいいシュシュの作り方を紹介します。髪を束ねたり手首のアクセントにしたりシュシュは便利なヘアアクセサリー。ペニ手芸部ならば、彼のペニ首をシュシュで飾ってペニシュシュに♡ワンランク上のオシャレを狙っちゃおう!…つづきを読む>>
規制→妄想→規制→妄想を繰り返すうちに日本人は世界トップクラスの妄想力を身につけた。それは今でも進化中だ。そこで果たすエロ漫画の役割は大きい。『エロマンガ・スタディーズ』(イーストプレス)は2006年に刊行された文字通りエロ漫画の研究書。著者が語るエロ漫画の過去と現在、そして未来は?…つづきを読む>>
面影ラッキーホールの my aim is true
#05『新宿区のマッサージ嬢』
炎天下の丸の内、30デニールの黒いストッキングに包まれた熟れた太腿を蒸らしながら販売のノルマを上げようと営業に回るオフィスレディが汗を拭った同時刻、神楽坂のスーパーマーケットでレジを打ちながら強力なクーラーと夫婦間の冷えに耐える人妻は、最近始めたソーシャル・ネットワーク・サービスで知り合った若い青年のことを考えていた…つづきを読む>>
バブル景気が崩壊した1990年。この時期に人工女性器のマーケットで主流だった電動オナマシンを、手動式のオナホールがどんどん駆逐していった。本物の女性器はローターで振動などしない。新素材・熱可塑性エラストマーを使ったオナホールは、手で持って上下に動かすだけで充分に気持ちよくなれるのだ… つづきを読む>>
「浦嶋嶺至」という名前を聞いてピンと来ない人も、昨年の始め、マンガ規制に関する都条例で、副都知事・猪瀬直樹の「夕張で雪かきして来い」というツイッター発言に対して「じゃ、俺が行ってやる!」と宣言して話題になったマンガ家だったり、もしくは、昨年10月に放映された「タモリ倶楽部」でイラスト投稿職人・三峯徹を特集されたときに… つづきを読む>>
4月1日、新年度の幕開けと共に開催されたかなまら祭り。アングラ臭の強いこの奇祭へは、笑いを求めてやってくる人がほとんどだと思いますが、私の場合は少し事情が違っていて……つづきを読む>>
面影ラッキーホールの my aim is true
#03『ヤ○○トレディー』
炎天下の丸の内、30デニールの黒いストッキングに包まれた熟れた太腿を蒸らしながら販売のノルマを上げようと営業に回るオフィスレディが汗を拭った同時刻、神楽坂のスーパーマーケットでレジを打ちながら強力なクーラーと夫婦間の冷えに耐える人妻は、最近始めたソーシャル・ネットワーク・サービスで知り合った若い青年のことを考えていた…つづきを読む>>
《魔法少女×アイドル論》by大塚幸代
3:アイドルの寿命は7年、だって魔法少女じゃないから
ここ数年のアイドルブームは過剰だ。若いの女の子が、とりあえずグループを作って歌って踊っていれば、どこからかファンが現れて、コールを繰り返す、というのが不思議だ。アイドルが遠い存在だった昔と比べると、異常事態だ…つづきを読む>>
初体験は大学卒業のちょっと前でしたね。22歳って言っているけど、23歳の誕生日の直前だから、実はほとんど23歳なんだけどね(笑)。ニッタさんは現在24歳で童貞か……いいなぁ、羨ましいですよ。いいじゃない、童貞のままで… つづきを読む>>
ケロッピー前田の変態カタログ★リターンズ
17【尻フェチ】
18【レズ・プレイ】
エロメディアの世界では相変わらず、巨乳全盛といった感があるが、女体のパーツのフェティシズムは数あれど、男たちの性癖を大雑把に分けるなら、「尻フェチ」派と「おっぱいフェチ」派に2分されると思う… 尻フェチ/レズ・プレイ>>
VOBOでは既にお馴染みの身体改造ジャーナリスト・ケロッピー前田氏の個展「ホルマリン・スケープ ~1万年後のためのスキン&ブレイドの風景~」が、3月15日より板橋にあるカフェ「百日紅(ひゃくじつこう)」で開催される… つづきを読む>>
今、女にモテてない男というのは、我々から見ると選ばれた男、やる気のある男ですよ。逆に若くして女とイチャイチャしている男は、ハッキリ言いますとね、女に迎合した〈クズ野郎〉ですよ! 何度言ってもかまいません。クズです! ボクがお金持ちだったらTVスポット打ちたいくらいです… つづきを読む>>
ケロッピー前田の変態カタログ★リターンズ
13【トーチャー・ガーデン】
14【ビザール】
「フェティッシュ・パーティ」とは、80年代にラバーやPVC(エナメル)素材のエロティックな衣装が入手可能になったとき、そのような衣装を着るためのパーティとして、イギリスで始まった… トーチャー・ガーデン/ビザール>>
お手元のオナホールの素材が何であるかは、水に投入して浮くか沈むか、そして火をつけて燃えるかの2つを見るとよい。現行の熱可塑性エラストマー(TPE)製オナホールは鉱物油が主成分であり、水に浮かんで、火をつければ普通に良く燃える… つづきを読む>>
20年を超えるニャン2倶楽部、ニャン2Zの歴史で、創刊時からの最長不倒投稿者のひとりであり、現在にいたるまでもっとも多作のひとりでもある不屈のイラスト職人、それが「散歩人」である…つづきを読む>>
乙女の夢を打ち砕くような破瓜を受けた少女の戸惑いと恥じらいとが見え隠れする憂いを帯びた眼差し……つづきを読む>>
先週に続いての「肉奴隷大好き少年」。先週、今週の2回は「夏美先生」という哀れな女教師が、徹底的な肉体改造を施され、辱められ、最後には売られていくという変態SM大河ドラマ・シリーズをお送りしている…つづきを読む>>
とっても珍しい型のコサージュ。ちんこの型の珍コサージュ…チンコサージュの作り方をご紹介。フォーマルな装いにもぴったりのチンコサージュを作りましょう。ハギレをクシュクシュにして留めるだけ。とっても簡単です…つづきを読む>>
今週の妄想芸術劇場に登場するのは「サトニン」。一見、いまどきのアニメ・タッチだが、サトニンの特筆すべき点はその「物語性」にある。画面の中に長文の書き込みや台詞がちりばめられたり、あるときは裏面に、さらに長い「解説」が付されている…つづきを読む>>
「レースクイーンなのに緊縛師という変わった女性がいる」との情報を編集・邪魔堕が聞き付けて来た。それは取材しなければなるまいと向かった先は新宿二丁目。なにやら怪しい雰囲気が全開だが、指定の店先で出会ったその人は、いかにも儚げなロリ美人だったトランスジェンダーが入り乱れる、カオスな街角に咲いた一輪の花(いや、お店にはいっぱい咲き乱れているのだが)。結月里奈さんの半生をお伺いした…つづきを読む>>
先週に続いてお送りする、ぴんから体操の本連載・未発表分作品集。1年ほど前にぴんから体操が、長い沈黙を破って投稿を再開する以前の作品群である。しかしこのひと、絵もすごいけど、テキストもほんとうに現代詩と呼びたいレベル。絵とテキストの相乗効果には、鬼気迫るものがある…つづきを読む>>
あぁ、溺れてしまう はふはふ、はふはふ 息が荒く頭が白くなってゆく はふはふ、はふはふ でも助けないで 快楽の果てで死にたいから…つづきを読む>>
ただいま銀座ヴァニラ画廊で開催中の展覧会に合わせ、今週・来週の2週にわたって、いままで本連載で紹介できなかった、ぴんから体操の未発表原稿を紹介しよう。これは最近の調査によって、編集部倉庫の中から発見された、過去のウェブ連載で掲載されることのなかった作品群である…つづきを読む>>
2012年4月18日。この日、世界中の悩める男たちを歓喜に沸かせる、一つのニュースが報じられた。〈東京理大チーム、毛の生える幹細胞移植で無毛マウスが発毛〉報道によれば、東京理科大学などの研究チームが、マウスを使った実験で幹細胞の培養による毛包の移植が成功したことを、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表したとの…つづきを読む>>
都築響一presents
妄想芸術劇場 ぴんから体操
@ヴァニラ画廊
中学卒業後に工員として働きながら、ぴんから体操が投稿を始めたのは19歳ごろのこと。最初は『ロリコンクラブ』や『オトメクラブ』、『お尻倶楽部』が投稿先だったという。ちなみに「ぴんから体操」というペンネームは、ぴんから兄弟と、大好きな新体操の組み合わせ、だそうだ…つづきを読む>>
【ああっ、足先に血が集まって、身体が宙に浮いちゃう!まるで鳥になったみたい!】48手の体位の中で、いちばん美しいと言われる「燕返し」を描きました。私にとってアクメとは、「浮遊感」そのものです…つづきを読む>>
ぴんから体操の発表場所でもあったニャン2倶楽部、ニャン2Z倶楽部の古い名物投稿者「夢男」を、今週、来週の2回にわけてお送りする。ニャン2創生期から、その前身である『クラッシュ』を主な投稿の場としてきた夢男。ここに紹介するのはいずれも、いまから20年あまり前の投稿作品である…つづきを読む>>
紙おむつをリボンやお花でデコレーションした、かわいくて実用的なおむつケーキ。ご出産祝いのおむつケーキのレシピを紹介します。大仕事を成し遂げたママには「おつかれさま♂」の気持ちをこめて。ベビーには「元気に大きくなってね♂」の気持ちをこめて…つづきを読む>>
淡い彩色画が中心だが、単色で描かれたスケッチも、また独特のノスタルジックなエロティシズムを漂わせて、捨てがたい味がある。先週に引き続いて、妄想芸術劇場では豊満熟女マニア「Mr.T」の怪作群をご紹介する…つづきを読む>>
対談 神田つばき × 北原みのり
女版・快楽主義のすすめ
濃密なセックスが自分を変えると予感し、専業主婦から一転、38歳という年齢でSM界へ。M熟女優、またAVライターとして、独自のSM観に基づく表現行為を行う一方、『東京女子エロ画祭』『どすけべ』など、女性のエロスにフォーカスを当てた様々なイベントをオーガナイズする活動家・神田つばき。女性向けアダルトグッズショップ「ラブ・ピース・クラブ」を単身設立、女性主体による快楽追求の啓蒙家として日々店頭に立ち、悩める女性たちの声に直に耳を傾ける傍ら、言論界においては時として鋭利に過ぎる、だが時として慈愛に充ちた言説を紡ぎ続ける、独立独歩のフェミニスト・北原みのり。SMとフェミという、ともすれば水と油とも捉えられかねない、対照的な背景を持つ両女史の邂逅。アプローチこそ異なれど、常に「女の快楽」を自覚的に追求し続けて来た二人が、「女の快楽」の今を語る… つづきを読む>>
絶対漫画宣言(草稿)
駕籠真太郎
漫画を漫画たらしめている最大の特徴は、「それがコマの連続体である」という、端的な事実である。それこそが、漫画表現と、その他の視覚表現(映画、アニメ、絵画、小説)とを隔てている当のものであり、また、それゆえにコマの連続の「仕方」は、マンガ表現の主脳と言って差し支えない。本稿で筆者が絶対漫画と呼ぶものは、「コマの連続体である漫画」が、それがそうであるように、描かれた漫画のことをいう。いわばそれは、コマとフキダシの切断と配置における恣意性への確かな意識であり、描き手と読み手の透明な関係性への懐疑、すなわち、漫画を括弧で括る試みである。我々がまず行うべきことは、より豊潤多弁な漫画表現の追求を忘れ、交換可能な容器に停滞している漫画の価値を再検討することである。ここで肝要となるのは、先人の蓄積と研鑽の上に成り立つ漫画構成記号という財を… つづきを読む>>
コイトゥス再考#27
中野香織
愛なきモードは何処へ向かうか
社会学者のヴェルナー・ゾンバルトに依ると、違法恋愛と、それに随伴する贅沢こそが、資本主義社会を生み、また発展させた歯車であるという。ここでいう贅沢とは、主に男性から女性に向けて贈られる奢侈品、即ち、高価な食事、絢爛な日常雑貨、そして女性の容貌を華やかに彩る、豪奢な装飾品のことである。今の我々がなんとなしに受容している「モード」もまた、この奢侈の運動の中で誕生したものである。シーズンごとに変化する流行に合わせて、絶え間なく更新されるワードローブ、いやむしろ、ワードローブを更新するために変化する流行…、当然、そこには活発な消費活動があり、男と女の数知れぬドラマがある。恋愛と贅沢と資本主義は、互いに分ちがたく結びつき、それぞれがそれぞれを駆動し合っているのだ… つづきを読む>>
コイトゥス再考#25
須長史生
ハゲ学のススメ・前編
2012年4月18日。この日、世界中の悩める男たちを歓喜に沸かせる、一つのニュースが報じられた。〈東京理大チーム、毛の生える幹細胞移植で無毛マウスが発毛〉報道によれば、東京理科大学などの研究チームが、マウスを使った実験で幹細胞の培養による毛包の移植が成功したことを、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表したとのこと。幹細胞? 毛包? 見慣れぬタームが並んでいるが、要するに、世界中の男性の悲願、「ハゲの完全克服」を可能とする技術が、満を持して誕生したということだ。研究チームは10年程度を目標に人への応用も実現したいと話しており、また大々的に報じられた背中に毛を生やしたマウスの写真を見るに及んでも、期待値はかなり高い。神が男性に刻みし「ハゲ」というスティグマは、、とうとう科学の叡智によって… つづきを読む>>
コイトゥス再考#24
宮台真司
泥沼のマスキュリニティ
巷間しばしば耳にする「最近の若い男は男らしくない」といった種の言葉は、つとにご存知のごとく、今に初めて語られているものではない。この手の言説は戦後一貫して間断なく再生産され続けており、あるいは「男らしくない」という語りは、歳上の男が歳下の男を揶揄する際の、一つのクリシェであるとさえ言える。この点を差し引いた上でも、昨今の若い男は、どうやら例外的に「男らしく」なくなっているようなのだ。日本における男性学の草分けである伊藤公雄氏によれば、近代的な「男らしさ」とは“権力志向・優越志向・所有志向”という三つの志向によって特徴づけられると言う。同時に伊藤氏は、近代以降の社会の歪みの大部分が、この「男らしさ」に起因するものだと指摘する。極端な物言いにも思えるが、その主張にはなかなかに説得力がある…つづきを読む>>
高木壮太の失敗した芸術家入門
~島根の看護婦さん、見てますか?~
当サイト宛にPヴァイン・ブックスさんからFAXが、(引用・転載は自由)と明記されているので、少し引用させて頂くと、「町田康、中原昌也、菊地成孔……文才あるミュージシャンの系譜に、mixi、twitter発の脅威の新人現る!!!著者は、GREAT3やボニーピンク、YUKI、エルマロから和田アキ子までのサポート、世界十カ国での巡業経験もあるが、基本は無職として、その日をやりすごしてきた、キーボード奏者・高木壮太。ヒマにまかせて、考えてきたことや蓄えた知識、ブラックジョークを、mixiやtwitterで綴ったところ、思わぬ大反響! 不謹慎な言葉に潜むユーモアや本質を、「けしからん!」と楽しんでいただければ幸いです」との、こと。
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SPECIAL COLUMN
当世童貞気質
第11回
(txt・あきやけい)
無免許で暴走 逮捕の男「免許取れずヤケに」
警視庁葛飾署は8日、免許を取得せずに性交渉をしようとしたとして、自称童貞芸術家、空家啓容疑者(34)を男女交際法違反の疑いで逮捕した。
空家容疑者は8日深夜、一緒に飲酒していた女性に「筆下ろししてくれよぉぉ!」などと泣きつき、女性と性交渉しようとした疑い。
空家容疑者は、女性に拒否され泣きわめきながら暴れているところを近所の通報で駆けつけた警察官に取り押さえられた。
調べに対し空家容疑者は「いつまでたっても性交渉免許もとれず、酒の勢いも手伝ってヤケになってしまった。あの娘ならヤラ・・・わかってくれると思った」などと供述しており、同署では他に余罪がないかなど慎重に捜査を進める方針。
なぁんてことになる前に、ちゃんと免許取らないとなぁ・・・。だけど、みんなどうやって取ったんだろ?教習所なんてどこにあるんだろ?どうやら、大金を積むと実際に生身の女体で場内教習(疑似)やら路上教習(本番)やら出来るらしいのだけど・・・やっぱり教習なしでいきなりじゃ、自転車で高速道路に突撃しちゃうようなもんなのかな・・・。
えっ?・・・好きな娘と付き合って、SEXするのって、免許がいるんじゃないの?!
じゃ、じゃあ、僕が彼女いない暦=年齢の童貞なのって、「性交渉許可免許」をもってないからじゃないの???
などと、現実逃避にも程がある戯言をほざきたくもなるのは、また童貞記録を更新し34歳になってしまったから、というだけじゃないのだ。
自慢じゃないが、童貞だとは言え、女の子とまともに口をきいたことがないなんて訳じゃないんですよ、僕は。携帯の電話帳にだって女の子の名前がちゃんと入ってるし(もちろん男友達の名前を「たかし子」なんてカモフラージュしてる訳ではない)、Twitterでも、ちゃんと女の子と相互フォローしてるし、これはもう、立派な「リア充」って言って良いんではないだろうか?
たしかに、この年でまだ童貞とか言っちゃってると、「ほんとは童貞じゃないけど、童貞でいじられてちょっとおいしいとか思って童貞のふりしてんだろ?」なんてことを言う人もいる。実際、この「VOBO」さんにこんなどーしょーもない独り言を載せて頂けたり、某大手週刊誌さんで絵を描かせて頂けるどころか、あの憧れのAV女優さんとお会いでき、かつヌード撮影にまで同席しちゃったり出来たのは、まぁぶっちゃけ「童貞」のおかげな訳で。
と、だからといって、僕が童貞のフリをして、この「童貞保護」を不正受給してるなんてことは、絶対にございませんっ!だって、もしそんな器用なことが出来るんなら、好きな娘と二人、楽しくお酒を飲んだ帰り道、その余韻に浸る間もなく「あぁ・・・どうせ僕なんか、あくまでよいお友達としか見られてないんだろうな・・・」なんて急に酔いも冷めて、一気に絶望的な気持ちになる、なんてことを何回も繰り返すなんてありえないでしょうがっっ!
・・・と、まあいつにもまして筆が乱れてしまってますが、何が言いたいのかというと、「どうすれば、好きな娘と結ばれることができるのか、僕にはわからない」ということ。
冒頭で書いた「性交渉免許」のように、男女が結ばれるための道筋であるとか、手順、ルールがしっかり明文化されていれば、こんなに悶々ともどかしい思いに身を焦がすこともないだろうに。
たしかに、今はこうやって僕のくだらない話にも笑ってくれたり、僕の似顔絵だって喜んで受け取ってくれたあの娘だけども、僕はその笑顔や言葉や瞳、その一つ一つに「あんたはあくまで友達」と釘を刺されてるような気がしてしまう。
そりゃ、こんな僕があの娘と二人夜の町で気持ちのよい時間を過ごせるなんて、もうそれで充分じゃないかと思ってしまうくらい、それはそれはステキなことだと思う。
僕はあの娘に何がしてあげられるのか。そんな身分不相応なことを考えること自体、勘違いも甚だしいのだろう。
じゃあ、なにもこの先の段階へ、無謀にも無免許で特攻するようなことはしなくていいんじゃないか?
というか、このような「いいお友達」の関係を、この無免許童貞、永遠の若葉マーク、恋のスピード違反と飲酒運転常習犯の僕が、わざわざ壊すようなことをしなくたっていいじゃないか。
ずっとこのまま、僕はただの「童貞をいじられて喜んでるおもちゃみたいな友達」で、あの娘は「僕を笑い上戸にも泣き上戸にもして酔わせてしまう美酒のようなヒト」でいてくれれば、それで十分なんじゃないか。少なくても、また勘違いのまま突っ走って「そうゆう対象にはならない」なんて言葉を、いつもより真剣な顔のあの娘の口から聞かされるよりましじゃないか。
なんて弱気な言葉を並べてみたり、もう何回も何回も何回もフラレてきたんだから、いい加減あともう一回くらいフラレたって何の問題もないだろとかって強がってみたって、僕があなたのことばかり考えてるのはどうしようもない現実。
問答無用、あなたの戸惑いも無視して、ただ一言「あなたのことが好きだから」と言うべきだったのも、まぎれもない現実。
そんな現実も、なんとか見ないフリをしたいのに、なすすべもなく寝苦しい夜をいたずらにあなたの面影ばかり追いかけてしまうのが、僕の救いようのない現実なのだ。