再建支援法:全壊66世帯救済なし 支給対象の拡大検討
毎日新聞 2012年08月16日 00時09分(最終更新 08月16日 00時31分)
自然災害に伴う再建支援金の支給対象を家屋の全壊被害が10世帯以上出た自治体に限っている被災者生活再建支援法について、政府が改正の検討を始めた。内閣府の06〜11年のまとめでは、この支給要件があるため住宅が全壊したのに306世帯は支援金を受け取れず、うち66世帯は自治体の救済も受けられなかったことが判明。末松義規副内閣相は15日の竜巻被害関連の省庁間会議後に記者会見し、法改正の検討を「公平性を期すため」と述べた。
再建支援金は住宅が全壊か大規模半壊した世帯に最大300万円支給される。しかし「全壊が10世帯以上の市町村」などの要件を満たしていないとして、東日本大震災では111世帯が支援金を受け取れなかった。また今年5月の竜巻では茨城県つくば市の約100世帯は支給対象になったが、同時発生した竜巻にもかかわらず、7世帯が全壊した栃木県益子町や5世帯の真岡市は対象から外れた。全国知事会は「同一災害で被災しても不均衡が生じる」と同法見直しを要望していた。