現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. 特集
  3. いじめと君
  4. いじめられている君へ >
  5. 記事
2012年8月14日23時19分

印刷用画面を開く

mixiチェック

このエントリーをはてなブックマークに追加

いじめられている君へ

《いじめられている君へ》中川翔子さん

写真:中川翔子さん拡大中川翔子さん

■逃げて まず自分が大事

 無理して学校に行く必要なんかない。いじめなんてくだらなくて、立ち向かう意味すらないから。いじめから逃(に)げることは、本当の「逃げ」とは違う。まず、自分のことを大事に考えてほしい。

 中学のころ、私はずっと「死にたい」と思ってた。無視(むし)されたり、陰口(かげぐち)を言われたりするのがつらくて、結局、卒業式も欠席した。1人で絵を描いていて、「キモい」って笑われた。「お前に言われる筋合(すじあ)いはない!」って言い返したかったけど、言葉が出なかった。今でも悔(くや)しいんだよ。

 「学校だけが世界の全てじゃないよ」って励(はげ)まされたことがあった。「あなたに何が分かる!?」って、その時は思ったけど、いつしかそう考えられるようになった。だって、学校なんて周りに数十人しかいない小さな世界だから。無理に合わせても苦しいだけだよ。

 いじめる子たちをよく見てると、仲間の中から順番に1人選び、その子を無視して喜んでた。心底(しんそこ)くだらないと思った。人の痛みが分からない人間だ。もし自分が死んでも、ダメージを受けるのはいじめてきた子たちじゃなくて、自分の家族だけなんだ。意味のないことはやめようと思った。

 私は趣味(しゅみ)の世界に救われた。いくら「オタク」って言われても、絵を描いたり、漫画(まんが)を読んだり、ゲームをしたりするのが好き。今はインターネットで仲間を作ることができる。学校の外にすてきな出会いがたくさん待ってるんだから、何か一つでも、楽しいことを見つけてほしい。

 人は、両親や祖父母、その先祖(せんぞ)らが出会って生まれた、いわば奇跡(きせき)のような存在。人生を邪魔(じゃま)する資格は、誰にもない。(なかがわ・しょうこ=タレント)

検索フォーム

おすすめ

母と娘の確執――なぜ彼女たちは苦しんでしまうのだろうか。

難関をくぐり抜けてきたエリート…のはずなのに人間関係でつまづくのはなぜ?

「絆」が見直されているにもかかわらず、孤立死はなぜ続くのだろうか。

様々な問題をはらむ今回のいじめ自殺問題を考える。

日本人の4〜5人に1人が「不眠症」。「眠り」の最前線を取材した。

教育現場、発展したネットの力…いじめになすすべもない日本社会の姿が見えてくる。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介
未来予想絵募集〆切迫る

朝日新聞社会部 公式ツイッター