日刊ゲンダイ ゲンダイネット
RSSリーダー
メルマガ登録

トップ > 政治・社会 > 何を残したのか小泉政治 デフレと格差と貧乏だけか

何を残したのか小泉政治 デフレと格差と貧乏だけか

【政治・経済】

楽天SocialNewsに投稿! Yahoo!ブックマークに登録
2012年4月3日 掲載

郵政民営化も骨抜き

<AIJ事件も規制緩和のツケ>

 大したニュースにならなかったが、先日「郵政完全民営化」を見直す改正案が自民党内で了承された。今国会での成立が確実だ。
「驚くのは、自民党内でも小泉完全民営化が否定されたことです。見直しに抗議して声を上げたのは、自称側近だった中川秀直議員と息子の小泉進次郎など一握りの議員にすぎません」(政界関係者)
 こうなると、改めて考えさせられるのは、「あの狂気の郵政選挙や小泉チルドレン、小泉政治とは何だったのか」である。大マスコミはバカみたいにハヤし立てたものだが、結局、何も残らなかった。いや、負の遺産だけを、それこそ東北のガレキ以上に残したのが小泉政治だ。
「年金2000億円が消滅したAIJ事件だって、もとはといえば、小泉政治の規制緩和路線が原因です。投資顧問業が許可制から登録制に緩和され、263社にまで増え、監督官庁のチェックが行き届かなくなってしまったのです」(経済アナリスト・菊池英博氏)
 規制緩和の目的は、米国ブッシュのマネーゲームに日本のカネを差し出すことだったが、それによって巻き込まれたのが米不動産不況とリーマン・ショックだ。平均株価は本家米国の下落率を上回り、1万3000円から7000円まで暴落した。株価はいつか回復するが、このリーマン・ショック以降、110円だった円相場は80円まで急騰。これで製造業は輸出不振に加え、為替差損を抱えてボロボロ。派遣切りなど弱者切り捨てのリストラが当たり前になった。
「デフレ不況を深刻化させたのも小泉政治です。基礎的財政収支にこだわり、公共投資などの予算をバッサリ削り、その一方では対外資産などで得る利益を国内で使わず、海外へ流出させてしまった。小泉政権中心の9年間で、国内資金は127兆円圧縮され、140兆円が海外流出された。これではデフレが悪化し、国内が貧乏になるのは当然なのです」(菊池英博氏=前出)
 この国の予算規模はいつの間にか80兆円から90兆円に膨れ上がった。大マスコミや自民党は「バラマキ」と批判するが、予算が増えた多くは、雇用対策、中小企業支援など小泉構造改革が生んだ不況と格差の穴埋めのせいなのだ。その揚げ句が、財政悪化を口実にした消費増税である。
 つくづく小泉政治とはロクなものじゃなかった。国民生活を不幸にするだけだ。ヨイショし続けた大マスコミは、どう落とし前をつけるつもりか。
~2012年4月3日以前の記事~

オススメ情報

恋愛

悩み

ビジネス

家電

健康

ゲンダイ オンライン
グルメ情報