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メンバーの裁判

« 先祖代々の故郷が放射能で汚染されたということ | メイン | 三国通信 1 »

2012年4月17日 (火)

沼田とエネルギー問題

汚染地沼田にヒステリーが蔓延している。汚染の被害が沼田の椎茸栽培を壊滅させてしまった。栽培する人がいなくなっただけではない、森林にはいってそだ木を作る仕事も消えてしまった。一キロあたらい100ベクレル以下という厳しい規制が施行され、椎茸を沼田で栽培しても商品にならない。規制が厳しくなったことで消費者は安全になった、と考えるのは早計である。地元産の椎茸が食べられなくなった、という不都合のマイナスを思うべきである。100ベクレルという線引きが放射線の被害を防ぐという根拠は薄い。日本産の米に含まれているヒ素の毒性はセシウムに換算すれば何百ベクレルになるかわからないほど強い。そんな発癌性のあるヒ素を含んだ米を毎日食べながら、椎茸の100ベクレルに恐れをなす矛盾は滑稽である。さらに、大飯原発の再稼働に政府はしゃにむに舵を切ろうとしているようだが、それには理由がある。政府は再稼働をためらっているうちに手遅れになり大停電が防げない事態を招くのを心底から怖れている。もし真夏に大停電が起きれば千人を超える死人が出ることを知っているはずだからだ。大阪の橋本市長は電力は十分足りている、と言っているが、その根拠はあるのか?工学的に説明できるのか?電力事情に関するかぎり橋本の発言は無責任な放言である。日本人の電力の使い方がでたらめで自販機やパチンコ屋が煌々と電気を付けている、と非難したのは東京都の石原知事だが、生命に関わる重大なことに使っていない電力は無駄遣いである、と決めつけるのはわれわれが自由主義経済の資本主義社会であるのを忘れている。競争原理に基づくこの国ではパチンコは依存症が問題になるほど多くの遊戯人口を持つ産業である。電気を煌々と付けて派手に客集めをしなければ店はつぶれてしまう。裸電球が一つ点っているだけの暗い店に入る人はいない。電力とは需要見込みが100とすれば150位の供給余力を持たないと心配な業種らしい。大停電を起こしたらそのマイナスは取り返しがつかないほど大きい。
だからと言って、電力を原発に依存するのは危険である。原発事故は国家の存続を危うくする。だから脱原発に向けて戦略を練り、なるべく早く(と言っても100年はかかるらしい)原子炉と使用済み燃料棒を安全に保管する方途をさがさねばならない。原発は稼働を止めても津波や地震による破壊による事故の危険は稼働中と少しも変わらない。燃料棒の安全保管は脱原発の前提条件である。世間には脱原発と宣言すれば原発事故の危険が無くなるように考えている人が少なくない。動いていても止めても燃料棒がそこにある限り危険に変わりはない。脱原発を宣言したドイツも向こう30年間は原発を運転し続ける予定のようだ。
脱原発はよほどしっかりした戦略を立て実行する政治家がいないと成功しない。今の民主党の鼻先思案ぶりをみているとこの党にそんな大変な大事業が実行できるようには思えない。
電力問題は、今年の夏足りなくなりそうなのでとりあえず大飯を再稼働さしちゃえ、という軽率さでは必ず事故が起きる。大きな事故が起きれば関西は全滅しかねない。われわれは今手にしている選択肢が何と何があるか、それぞれの得失を冷静に判断するため、沼田でも盛んな議論を起こすべきである。(峯崎淳)

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 昨年運転停止した浜岡原発に今津波が来たらどうなるかの評価です。
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/__icsFiles/afieldfile/2012/04/16/0416_1.pdf
 1.2号機は廃炉を決めて運転終了して約3年経過しています。それでも、こんな評価をしなければ安全だと言えないのが使用済み燃料の問題です。廃炉決定、運転停止しても、使用済み燃料がそこにあるため堤防をつくらなければいけないと言っているのです。

 これが、浜岡の使用済み燃料のデータです。
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_jisseki/shiyozumi/index.html?cid=ul_me

 6,625体の使用済み燃料をどうするかが決まっていません。おまけに海外からプルトニウムや高レベル廃棄物が戻ってきます。

 氏の理論派らしからぬ発言に少々困惑しています。「汚染地沼田にヒステリーが蔓延している。」に始まる発言自体に、ヒステリックに感じる個所があるからです。単純に見過ぎ、言葉尻をとらえて、との謗りを承知でいくつかあげます。
 椎茸栽培が壊滅になった件ですが、確かに椎茸栽培を生業にする人たちにとっては大きな打撃でしょう。しかし、東京電力に損害賠償請求すれば某かの救済を受けられる点で観光業や農業、漁業に携わる人たちと次元は同じです。地元産にこだわれば、それを食べられないことは不都合のマイナスかもしれませんが、なぜ地元産にこだわる必要があるのでしょうか。群馬県に地元産の海産物はありません。道路網の拡充が物流の発達につながり、片品村でもマグロの刺身は食えます。
 100ベクレルという新しい線引きの根拠を疑問視するときに、日本産の米に含まれるヒ素の毒性を比較に取り上げることは、神経質になっている人たちの恐怖心を徒に煽ることにつながりはしないでしょうか。発癌性物質を含んだ食品はたくさんあります。むしろ、含まない食品を探すことの方が難しいかもしれません。そこに腐心してストレスをため込むより、同種の発癌性物質の蓄積を避けるために偏らない食事を心掛けることはひとつの選択肢です。しかし、日本人の主食である米が問題であるとすれば、私たちはこれから何を主食にすればいいのでしょうか。
 そもそも、新しい基準の100ベクレルもすべての食品に設定された基準も安全を保証するものではありません。問題がゼロではないにしろ、ここまでなら安心でしょう、という我慢の基準です。それをクリアした食品が店頭に並び、もちろん、そこには日本産の米も含まれています。
 氏は石原東京都知事の発言を批判して、自由主義経済の資本主義社会を容認しておられる。パチンコ業界運営の現状も容認しておられる。しかし、電力を原発に依存するのは危険ともおっしゃる。私も自由主義経済の資本主義社会を否定はしませんし、原発に依存するのは危険であるという点にも同意します。ただし、脱原発という点に立てば、都知事の発言には理もあると考えています。生命に関わる重大なことに使っていない電力は無駄遣いである、という意見にも一理はあると思います。氏も、東北で震災の被害を受けた町々の復興は復旧であってはならない、日本が脱原発を目指すなら、国民すべてがその価値観を変えなければならない旨の発言されていたと記憶しています。
 ドイツが宣言した脱原発は、ドイツのこれからのエネルギー政策の基本構想です。それに向けた基本計画として、向こう30年間は原発を運転し続ける予定でいる。それに伴って、自然エネルギー等に目を向けた実行計画も数々あると見ています。今の日本のエネルギー政策の最大の問題点は、このドイツのような基本構想がないことだと、私は考えています。脱原発なのか、脱原発依存なのか、フクシマを経験した今、従来通りはありえないと思いますが、その基本構想がないから、そこに向けた基本計画もない。大飯原発の再稼動で、とりあえず関西圏の夏場の電力不足を乗り切ろうとしている。電力の不足が現実のものになれば、亡くなる人が出てくることは予想できますが、千人を超える死人が出る、私はその具体的数字の根拠を知りません。
 「脱原発はよほどしっかりした戦略を立て実行する政治家がいないと成功しない。今の民主党の鼻先思案ぶりをみているとこの党にそんな大変な大事業が実行できるようには思えない。」
 脱原発を実現するのは、すべての国民に求められている「覚悟」だと思います。
 「沼田でも盛んな議論を起こすべきである。」
 もの言えば唇寒し秋の風、の利根沼田にあって、冷静な議論が期待できるでしょうか。声を上げる人がいるとすれば、あのヒステリックな人たち・・・。

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