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メンバーの裁判

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2012年3月 8日 (木)

山賊村には、ハイエナもいた。

 先日、村づくり観光課若者雇用創出室が、移住してきた若い女性数人から意見を聞いたらしい。要するに、外から若い人に来てもらって、その定住促進を謀る村がすでに移住してきた若者をモニターにして意見を聞こう、というわけだ。外から移住してきた各年代層の人たちを大勢知ってはいるが、村がその人たちの意見を聞こうとしたという話などついぞ耳にしたことがないから、とりあえず意見を聞く姿勢を見せたこと自体、一応"表向き"には評価しよう。
 5年前、村は(正確には前々教育長の須藤澄夫)は長期滞在、半定住を謳って尾瀬オゾンシアターなるものを立ち上げ、彼個人の趣味のために演劇を主宰した。長期滞在、半定住は補助金の支給を受けるための大義名分であり、そのターゲットは定年退職を迎える団塊の世代だった。(参照「住民の目!片品」、「決して非を認めない片品村」)
 仮に3000万の退職金を手に定年退職した夫婦が、定住にしろ半定住にしろ1000万を手当てして片品に住居を確保し、年200万で生活すると仮定しても、残り2000万は10年で底を突く。先の見えないこの時代にそんな人がいる、と単純に決めてかかる役場の想像力の欠除。しかも、そのとき夫婦は70歳になっており、医療や介護に金がかかる年代になるわけだが、村の負担が増えるだけ、ということに考えが及ばない役場の知性の欠除。企画自体に幾多の疑問を感じた私は、団塊の世代を狙ったこの企画について「狙いは団塊の世代の財布の中身だろ」と問いつめると、役場はそれを否定しなかった。ここ片品は、山賊村か。
 団塊の世代にあてが外れた村が次に狙いを定めたのが若い世代、というわけだ。そのために空き家バンクシステムを創設し、空き家の有効活用を図るのはいい。実際、現時点で2件の売却物件と1件の賃貸物件が登録されている。しかも、賃貸物件については、3年間を限度に家賃の3分の1(上限1万円)を補助するという。しかし、生活保護世帯等はその交付対象外というから、弱者救済のシステムではなく、村は本気で村外からの若者の移住を促進して、あわよくば地域の活性化につなげたいのだろう。
 一方、村には働く場がないから、と手をこまぬいて学校を卒業した子どもたちを外に送り出す現実がある。高校1年生の子どもを持つあるお母さんが「あの子と暮らすのもあと2年と覚悟している」と言うのを実際に聞いた。この切ない現実に照らして、村がパートタイム程度の職と空き家バンクシステムを用意して村外からの若者の移住を促進する裏に透けて見えてくるのは村のエゴである。要するに、移住してきた働き盛りの若者が、高齢化と後継者不足で空いた休耕田畑を借りて就農し、自然農だ、無農薬だ、有機栽培だ、などと難しいことを言わず、当たり前に機械や農薬を使い、収量を増やして収益を上げ、1円でも多く村に税金を収めてくれれば、まさに村が狙うところだろう。そして、移住してきた若者たちがこの村で所帯を持ち、子どもをもうけてくれれば、それこそ願ってもないおまけ、というわけだ。しかも、その働き盛りの若者の移住の結果が吉と出ようが凶と出ようが、それは自己責任であり、所詮は他所の子のことなのだ。
 私が、ずぶずぶの土地に水平垂直の家は建たない、と前々から言っているように、まず村が考えるべきは片品の子どもたちの将来から少しでも不安を取り除くことである。高校1年生の子どものお母さんから、あと2年しか一緒に暮らせない、という切ない思いを払拭してあげることである。私は片品の子どもたちが外へ出ることに必ずしも反対はしないし、むしろ、外の世界を見、知り、経験することは片品の既成概念を取り払い、片品の枠にとらわれない全国区の視点を持つ上で大事なことだと思っている。しかし、それは村には働く場がないから、仕方なく外へ出ることとはまったく次元が違うことなのだ。
 片品の子どもたちの将来を見捨てておきながら、むらづくり観光課若者雇用創出室とは、要するに、ハイエナ事業部というわけか。どうなのよ、木下さん。それがあなたが言う「前を向きましょう」ということなのか。(木暮溢世)      

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