気をつけて。
もう始まってるかもしれない。
「十角館の殺人」(87)「暗黒館の殺人」(04)などの「館」シリーズや「緋色の囁き」(88)「黄昏の囁き」(93)などの「囁き」シリーズを生み出してきた、新本格ミステリー作家の旗手・綾辻行人(※「辻」は二点しんにょうです)。その綾辻が2009年に発表したのが本作「Another」。それまでとは一線を画す作風で、地方の中学校を舞台にした謎めいた学園ホラーは新感覚ミステリーホラーとして脚光を浴び、同年度の「ミステリが読みたい!」第1位、「このミステリーがすごい!」第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」第4位など数々の権威ある書籍ランキングで高順位を獲得し、各方面から絶賛を集めました。そして発表から3年。いまだ熱狂的ファンを集める話題作がコミック化・アニメ化を経て、遂に待望の実写映画化を果たしました。
監督は『オトシモノ』(06)『トワイライトシンドローム デッドクルーズ』(08)などデビュー以来娯楽感溢れる描写を追及している鬼才・古澤健。黒沢清の下でその才能を開花させた新鋭が初メジャー映画で更なる才能を爆発させています。そして、転校早々不可解な事件に巻き込まれる主人公の少年榊原恒一役には、デビュー以来立て続けに映画・ドラマの主演に抜擢されている逸材、山阜ォ人。
本作でもフレッシュな演技を披露しながらも未来の大物感を漂わせています。物語の鍵を握る眼帯をした謎の美少女・見崎鳴役には、映画『告白』(10)で鮮烈な印象を残した橋本愛。その美しすぎるくらいの佇まいは新たな女神(ミューズ)の登場を予感させています。そんな最注目株の若い二人が、美しき謎に満ちた前代未聞の学園ホラーに挑戦しています。他にもホラー映画初挑戦となる加藤あいや数多くの映画ドラマに出演している袴田吉彦らも謎めいた役で本作を彩っています。
そして、映画の最後を飾る主題歌は、ティーンを中心に絶大な人気を誇るディーバ・加藤ミリヤが映画を観た興奮をそのまま自らの作詞作曲に反映させて書き下ろしました。その仕上がりは古澤監督をして「パズルのようなこの映画の最後の大切なピース」と言わしめるほど映画の1つの大事な要素となっています。
この夏、新たな恐怖が日本を冷やします。