子供に年20mSv問題の裏を読む
先日、何が人道的かと題して、子供に年20mSv問題についての考察を書きましたが、ジャーナリストの江川紹子氏が、”子どもにも20mSv/年”問題と放射線防護学の基礎”と題して、的確かつ冷静な解説をしています。一読の価値があります。
これに、対して、信用できないのが、先日内閣官房参与を辞任した小佐古東大教授です。
小佐古氏は、辞任に際して、涙を流しながら、「年間20ミリシーベルト近い被曝をする人は、約8万4000人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、きわめて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです」(朝日新聞5月1日付)、
と述べたと報道されていますが、これが事実だとすると、江川氏が「実は専門家でも分かっていない人が多いのです」と述べているように、解っていない専門家としかいいようがありません。問題は、20mSv という数値の大小ではなく、どうやって住民の合意を得るかという点と、今後被曝を減らす努力をするかという点なのです。
小佐古氏は京大の小出助教によれば、「浜岡原発についての静岡県のアドバイザーとして、浜岡原発は絶対安全だと言ってきた人。」( http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/05/02/tanemaki-may2/ ) です。あやしいと思っていたところに飛び込んできたのが、浜岡原発一時全面停止のニュースです。
浜岡原発、一時全面停止へ 首相、中部電に要請(共同通信)
管総理がどんな思惑で言い出したのかは解りませんが、浜岡を止めたら絶対安全だと言ってきた小佐古氏の面目は丸つぶれです。その趣旨返しに、20mSvに飛びついて、合わせて自分のイメージアップも計ったと考えるのが妥当でしょう。(杉山弘一)
昨日のNHKの報道です。
2011-05-18_福島に伝える“チェルノブイリの教訓” 菅谷昭氏
http://www.dailymotion.com/video/xirsx5_2011-05-18-yyyyyy-yyyyyyyyyy-yyyyyyyy_news
現地の実態を知って菅谷氏(現松本市長、医師)の考え方が変わったのか、それとも報道のしかたが原因なのか解りませんが、3月22日の記者会見とは異なり、不安を解消させる内容になっています。
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/kaiken/teirei20110322/index.html
投稿: 杉山弘一 | 2011年5月19日 (木) 07:44