玉原ダムで起こったこと
玉原ダムにはたくさんの水がたまっています。通常は、水上側に水を落として発電していますが、沼田側にも一定程度水を流しています。また、大雨などの際は、沼田側に放流することがあります。このため、沼田側の発知川には、放流を知らせるサイレンが設置されています。
もし、ダムが決壊すると、沼田側に大量の水が流れます。おそらく、数百人以上が流されるでしょう。だから、ダムの決壊を未然に防ぐため、変形量を計ることになっています。
しかし、東電は、ダムが出来てから20年以上も、この変形量を改ざんしてきたのです。ミスではありません、故意に問題ないデータに改ざんしてきたのです。組織的、継続的に沼田市民の命を危機にさらしてきたのです。到底許されることではありません。
改ざん報告書の概要です。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu07_j/images/070124d.pdf
改ざんが明らかになった平成18年当時、地元説明会を開くように東電に申し入れましたが、まったく対応しませんでした。誠意のかけらも感じられませんでした。また、市当局や議会も重大性を認識せずに何もしませんでした。
あのとき、改ざんの責任を徹底的に追及していたら、原発事故を防げたかも知れないと思うと悔しくてしかたありません。今こそ、東電とそれを知ってて知らないふりをしてきた保安院に対して怒りをぶつけ、あの体質を改めさせなくてはいけないと思います。
なお、改ざんしていたのは、玉原ダムだけではありません。丸沼ダムや須田貝ダムでもやっていました。火力や原子力でもやっていました。(杉山弘一)
今度の原発事故で東電、保安院、原子力安全員会のお粗末な体質が露呈した。旧通産省のエネルギー政策策定者の強権に庇護された彼らは責任能力の薄い走狗にすぎなかった。こんな連中には事故の責任をとことん追求するべきである。
未読だが、福島県知事佐藤栄佐久『知事抹殺』が読まれているそうだ。贈収賄事件で知事を辞めた人だが、この人は原発反対派だったらしい。罠にはめられたか、検察が仕組んだ冤罪だった可能性がある。村木局長事件で検察がどんなものかわれわれは知っている。
とにかくどんな小さなことでも、東電が行った不正行為は見逃すべきではない。抗議と糾弾の声をあげていかなければとんでもない事故が起きることだけは明らかになった。この玉原湖もその一つである。人造湖である玉原湖の擁壁にひずみが生じていることを知りながらその数値をごまかすなど絶対に許すわけにはいかない。(峯崎淳)
投稿: 峯崎淳 | 2011年4月23日 (土) 15:25