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メンバーの裁判

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2011年4月14日 (木)

福島原発で起こっていることを理解するために2

  真面目なコメントをいただいたので調子に乗って続きを書きます。

 これも、お勧めです。 

2011/4/11 CNIC News 後藤政志氏解説

 後藤さんは温厚ですが、設計者としての考え方に筋が通っています。解説は信頼できます。
 制御棒脱落事故がこれほど多いとは知りませんでした。あんまり驚いてはいけないと思っているのですが、これには驚きました。
 いろんな分野でこうした「このくらい良いだろう」という感覚で事故隠しが行われていて、その積み重ねが大事故を招いたのだろうと思います。
 その背景には、設計現場での徹底した経済性の追求があります。コストダウンばかり命じられているのが設計者の実態です。
 ここで、反論を恐れずに言えば、私は、もし、理論通りの徹底した安全設計・安全施工・安全運転が出来れば(これが難しいことは承知の上です)原子力発電所は、社会に受け入れてもらえるくらいのレベルの安全性(危険性と言うべきかも)を確保することは可能だと思っています。
 しかし、その時はコストが大幅に増え、まったく実用に耐えないものになるでしょう。

 なお、後藤さんは質問に答える中で、「臨界とは核分裂がねずみ算式に増えること」との表現をなされていますが、これは誤解を生みやすいと思うので詳しく説明します。臨界とは核分裂反応が継続している状態で、核分裂がネズミ算式に増える核爆発とは違います。また、出力と臨界とは関係がありません。出力1wの臨界状態もあります。東海村の臨界事故を思い出すとよく解ります。あれは低出力の臨界が続いた事故でした。
 後藤さん自身、臨界については知見を持ち合わせていないのでコメントできないと言われていますが、メーカーで格納容器などの機器設計に従事していると核反応の知識は実務上ほとんど必要ないですから、当然のことだと思います。したがって、これをもって、他の部分の信憑性が下がるものではありません。(杉山弘一)

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福島原発で起こっていることを理解するために2を参照しているブログ:

コメント

被ばくするとはどういうことか
10mSV被ばくであれば癌(遺伝子異常)リスクは0.06-0.12%
増加する。1万人で6-12人が癌等になる
20mSv被ばくであれば癌(遺伝子異常)リスクは0.12-0.24%
増加する。1万人であれば12-24人が癌等になる
交通事故では1年間に1万人に約1人が死亡する。 放射線は本質的には生物にとって有害。しきい値なしである以上、被曝リスクをゼロにすることは現実問題としてはありえない。一方我々が日常生活を送る上で如何なる行為といえどもリスクを伴わないものはない。
 癌の死亡率は30%だからそれに0.1%加わるだけ。あるいはたばこで癌になる確率よりも低い。0.1%など無視して差し支えない。何が問題なんだという方もいる。リスク10-20%でも許容する方はけっこうおられるでしょう。あるいは被ばくなどあびないに越したことはないから、0.1%でも許容しない方も多いと思われます。いずれも良く理解できる考え方です。
あくまでリスク評価とは個人の問題で各位のとらえ方でしかないともいえる。
10ー20mSv被ばくのリスクは1.0E-3で交通事故死1.1E-4より一桁多い
 10人であれば0.1人。1万人であれば100人。10万人であれば1000人
確率が低くても人数が多ければ多いほどより大きな社会的問題になる。
危険度0.1%をどう判断するのか(10-20mSV)
個人の問題で各位のとらえ方でしかないともいえる


登坂雷太さん、解説ありがとうございます。
 このように、定量的に把握することが大切だと思います。

 田中優は、0.0009mSvでも大きな影響があると言いふらしています。たしかに、0.0009mSvでも被曝リスクはあります。ゼロではない。そうである以上、誰でも被曝などしたくない。でもそれを、排除しようとするともっと大きなリスクが発生してしまいます。
 例えば、被災地に、ヨウ素131が10bq/l含まれている水道水しかないとします。これを1L飲むと0.00022mSv被曝します。癌になるリスクが、0.000002%上昇します。もはや、統計上意味がある数字とは思えません。これを嫌がって、乳児に水を飲ませなかったらどうなるでしょうか。脱水症になるリスクが確実に増えます。硬水のミネラル水を飲めば、やはり健康を害するリスクが確実に増えます。評価が困難な癌のリスクよりはるかに高いリスクです。
 しかし、これが、100,000bq/lだったら、話は違ってきます(それでも、1回なら2.2mSv、1年間毎日飲むと800mSv)。
 
 ところで、がん予防14か条というのがあります。これによると食事や運動などの生活習慣でがんになるリスクをかなり減らせるようです。定量的評価は難しいのでしょうが、半分以下に減らせると評価もあります。0.000002%の増加に比べてはるかに高いことは明らかです。

 10bq/lの水を飲んだことによるリスクなど生活習慣の中に吸収されてしまうのです。おそらく、気にしてストレスをため込むことによって癌になるリスクの方がはるかに大きいでしょう。この程度だったら、何も気にしないのが一番なのです。そこまで説明しないで0.00009mSvを持ち出すことは悪質な煽りです。

 それは、1円でもお金は大切にしなさい。1円玉を海に落としたら、何億円かけてでも拾いなさいと言っているようなものです。

 ただし、このことと被曝をさせた東電の責任は別問題です。
 道路を歩いていたら、横を通った東電の車にいきなり泥水をかけられたようなものです。健康へのリスクが小さいからといって、東電のやったことは許されるものではないと思います。

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