対して、ピーチの同じ路線は片道4780~1万4780円。ジェットスター・ジャパンも、従来と比べて最大50%安い運賃を提供し、最低保証価格制度(同じ日時・条件で他社が安いことを証明すればそれを下回る価格で提供する制度)を導入すると発表している。最後発のエアアジア・ジャパンも同じ価格帯になると見て間違いない。
しかし、安さだけに目を向けるとLCCの本質を見誤る。飛行機はいずれも新造機で、B747やA320の操縦経験のある日本人のベテランが操縦桿を握る。何より、薄利多売のビジネスではない。利益率はむしろFSA(フルサービスエアライン=既存の航空会社)以上だ。10年のエアアジア(マレーシア)の売上高営業利益率は27.1%、ライアンエアー(アイルランド)が13.4%。一方、JALは13.8%、ANAは5.0%。LCCが世界の空を席巻しているのは、FSAの半額で販売しても2倍の利益を生み出す仕組みを構築しているからである。
※すべて雑誌掲載当時