北朝鮮との政府間協議の再開に、拉致被害者の横田めぐみさんの母・早紀江さん(76)は「どんな形でもいいから話し合いの場を作ることができたのはよかった」と歓迎する。拉致問題については「政府には絶対に後ろに引き下がらないという強い意志で臨んでほしい。家族には残された時間がありません」と訴えた。
一方、拉致被害者の増元るみ子さんの弟で、家族会事務局長の増元照明さん(56)は「まずは生きている拉致被害者の問題を最優先すべきだ」と釘を刺した。かつて北朝鮮が横田めぐみさんのものとして別人の遺骨を提供してきたことに言及。「本当に日本人の遺骨を返す考えがあるのかも分からない。北朝鮮がこの時期に交渉に応じるのも、経済的に厳しい内政事情があるからではないか。北朝鮮のペースで話し合いをしてはだめだ」と話した。
北朝鮮に家族の遺骨を残してきた人たちは交渉開始を歓迎した。戦後、朝鮮半島から引き揚げてきた栃木県日光市に住む川村寧(やすし)さん(80)は父と妹の遺骨を残している。「諦めかけていただけに、万感の思いです」